フィンエアー、パイロットがストライキ実施 12月9日と13日に約300便欠航
韓国国土交通部、航空機の遅延増加で制裁へ 発着枠割り当て制限など
韓国国土交通部は、航空機の遅延運航を減少させるため、遅延状況を四半期ごとに発表し、制裁を設ける。
世界的に航空需要は増加しているものの、韓国は平均より高い伸びを示している。そのうち国際線は中国、東南アジア路線が60%以上、国内線は済州線が80%を占めている。2016年には過去最高を記録する見通しで、航空路の混雑などに起因する遅延も増加している。
国内線の定刻から30分以上の遅延した便の割合は、2014年には7.5%だったものの、2015年には10.4%、2016年は8月までに19.2%と増加傾向にあり、ジンエアー、イースター航空、アシアナ航空では1月から8月までの遅延が20%を超えた。国際線も同様の傾向で、イースター航空、アシアナ航空、チェジュ航空、ティーウェイ航空は2016年8月までの段階で、定刻から1時間以上の遅延便が5%超となっている。特に、済州とソウル/金浦発着便での遅延が多く、機材の到着遅延が87.6%と理由として最も多かった。
韓国国土交通部では、混雑した同一路線でのピストン運航を行うことで遅延の解消が困難になることや空港の駐機場やセキュリティ、チェックインカウンターが混雑するなど施設側の設備の問題も一因であるとした。航空会社へは飛行時間の増加傾向を反映したスケジュールの設定を求め、10月30日から開始した冬スケジュールでは、アシアナ航空とジンエアーはソウル/金浦〜済州線は飛行時間を65分から70分に拡大。イースター航空も2017年夏スケジュールより同様とする見込み。さらに予備機の配置のほか、混雑路線を繰り返し運航する場合は、1日のスケジュールに非混雑路線を織り交ぜるなど、遅延が部分的に解消されるようなスケジュールの調整も求めた。ティーウェイ航空は10月30日より、ソウル/金浦〜済州線の間に、大邱〜済州線の運航を織り交ぜている。急増する中国と東南アジアを結ぶ航空路の混雑緩和のため、航空路の高度分離や複数の航空路を飛行方面別に区分して運航するといった、対応容量増加策も検討する。済州と釜山では新空港の建設や拡張も行われており、既存空港の処理能力も改善する。
2017年からは、四半期ごとに航空会社別の遅延状況を発表し、利用者が選択する際に参考にできるようにする。遅延が多い航空会社へは、発着枠の割り当てを制限するなどの多角的な制裁も行うことを計画している。