「路線拡大へ最大の課題は乗員確保」 ジェットスター・ジャパン片岡優会長【囲み取材一問一答】

7月3日に就航5周年を迎えたジェットスター・ジャパンの片岡優会長が同日、成田空港での記念イベントにおいて報道陣の囲み取材に応じた。

―日本の格安航空会社(LCC)を取り巻く環境は5年前と大きく変わっていると思うが、どう思うか。
5年前と比べての大きな変化は、お客様にLCCをどのように考えていただいているかという点。当時はLCCという言葉も浸透していない状況だったが、現在はLCCがひとつの大きな成長の戦略となっている。LCCが身近な乗り物だと捉えていただいており、LCCがより使いやすい身近な存在になった。

―LCCは進化していると言われるが、ジェットスター・ジャパンとしてはこれからどのように進化していこうと考えているか。
安全に運航するということが第一前提。それ以外にも常に安い運賃をマーケットに提供する、お客様に提供する、常にお客様が一番安い運賃で気軽に旅行いただけるようにすること。その次はやはり利便性。例えば飛行機のスケジュールであるとか、ご予約・購入の仕方、そして搭乗まで、すべて「安かろう悪かろう」ではなく、お客様の利便性を上げていくということに注力したい。

―ジェットスター・ジャパンは日本航空(JAL)と一部コードシェアしているが、フルサービスキャリアとの関係性についてどう考えるか。
フルサービスキャリアとLCCのモデルは全く別のモデル。それが近付くということもない。ただ、お互いに協力してご支援いただけるところは、コードシェアまたはマイレージプログラムを共有させていただくとか、そういうことはお客様の利便性につながるので、そういった点は引き続き協力できるところを探す。しかし、基本的なビジネスモデル自体はLCCとフルサービスキャリアでは全く別物だと思っている。我々はLCC単体としてのモデルをやっていくということに変わりはない。

―2年前は色々とトラブルが続いたが、一番ここが変わったという点はどういうところか。
5年経ち、日本の航空会社として安全運航、国際基準に沿った運航がしっかりと今できていると思う。就航当初は色々トラブルがあったが、現在は非常にスムーズに、安心して利用できるような航空会社に成長したと思う。

―今後どういった点をのばしていきたいか。
5年間で約2,000万人のお客様にご利用いただくようになった。定時運航率も以前よりも向上している。搭乗率も年間を通して安定した数字を達成できるようになった。今後、お客様の利便性の向上という点で他社との違いを出していきたい。利便性というのは、スケジュール、運航便数、購入方法とか。そういったものを、よりご利用いただきやすいような状況を作っていきたい。

―5周年ということで新路線は。
21号機が今年の3月から稼働し、しばらく20機体制が続いていたが、今は21機体制。予定では2019年までに28機体制にする。今後また飛行機が増えていくが、今年中にあと1機入って22機体制になる予定。機材数が増えるごとにもちろん新しい路線展開を考えたり、既存路線の増便を考えたりするが、今は検討中。まだ新たな路線、新たな就航地を発表できる段階ではない。

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