成田空港の滑走路増設や延伸、四者協議会で合意 発着時間も拡大

成田国際空港、国土交通省、千葉県、成田空港周辺の9市町村は3月13日、四者協議会を開催し、滑走路の増設などを含めた成田国際空港の機能強化に合意した。

B滑走路の南側に新たに3,500メートルのC滑走路を増設するほか、B滑走路を北側に1,000メートル延伸し、3,500メートルとする。現計画の横風用滑走路の整備は今後行わない。夜間飛行制限も緩和する。

滑走路の増設と延伸により、1時間あたりに離発着できる回数は現在の72回から96回に26回増加する年間発着枠は現在の30万回から50万回に拡大することになる。地上走行距離は現在の約4.1キロから約2.8キロに短縮されることで、現在年間520億円かかるコストを175億円縮小させることができるとした。

東京オリンピックの開催までに、A滑走路の発着時間を午前6時から午前0時に変更し、現状より1時間遅くまで発着できるようにする。また、A滑走路のみ午後10時以降の便数制限を撤廃する。弾力的運用は午前0時から午前0時30分に限定する。

C滑走路の供用開始後にスライド運用を導入することで、滑走路ごとに7時間の静穏時間を設ける。早番は午前5時から午後10時まで、遅番は午後7時30分から午前0時30分までとすることで、空港全体の発着時間を午前5時から午前0時30分に変更する。全滑走路で午後10時以降の便数制限を撤廃する。天候不良などの際の弾力的運用は午前0時30分から午前1時に限定する。

防音対策として住宅の寝室への内窓の設置も実施する。周辺対策交付金のは総額を引き上げ、地域振興枠として使途を柔軟化するほか、A滑走路の運用時間の変更を先行して実施することに伴い、A滑走路の騒音下の市町に特別加算金を交付する。

さらに、成田国際空港は航空機落下物被害救済支援制度を創設する。

(画像:成田国際空港ホームページから)