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JAL子会社整備士、アルコール検査で替え玉 1月発覚、報告遅れる
日本航空(JAL)は、子会社のJALエンジニアリング福岡空港整備部の整備士が、社内のガイドラインで実施を義務づけているアルコール検査を、別人に不正に実施させていたことを明らかにした。
整備士A(40歳代)は、1月19日午前5時20分ごろに出社後、会社指定のアルコール検査器の予備器にて数回アルコール検査を実施したところ、1リットルあたり0.08~0.10ミリグラムのアルコールを検知したため、既定値の同0.10ミリグラムを超える恐れがあることを不安に思い、本来は立ち会い確認する第三者に依頼し、代行して検査を受けさせた。
また、整備士Aと飲酒していた整備士B(30歳代)は、始業時間に行った2回の検査で基準値を超えたため、上司の指示で業務に従事しなかった。整備士Bから報告を受け、整備士Aにヒアリングした結果、翌20日に代行検査を認めたという。
代行検査の事実は、1月末までには福岡空港整備部内の責任者まで報告がなされていたものの、JALエンジニアリング本社総務部へは2月11日に報告したという。JALエンジニアリングは国土交通省航空局に2月13日に報告し、3月7日に最終報告を行った。
摂取した飲酒量や時間より算出した数値、事後の本人による再現検証の結果や法医学専門の医師の見解では、整備士Aは業務を開始する時点では、ガイドラインに定める規定値を下回っていた可能性があるものの、「酒精飲料による影響下にはなかったと断定することはできません」としたが、「整備士Aと当日接触のあった関係者へのヒアリングの内容や機体の健全性から、運航への安全の影響はなかったと判断した」という。
JALでは、整備士Aとアルコール検査代行者などは社内規定により処分した。JALの赤坂祐二代表取締役社長は月額報酬の20%を1カ月、北田裕一整備本部長は同10%を1カ月分自主返納する。再発防止策として段階的に、JALグループ外の第三者にアルコール検査の確認を依頼するという。