リゾネットに15ヶ月の業務停止命令 旅行会員権のマルチ販売

リゾネット

経済産業省関東経済産業局は、旅行などの会員権の連鎖販売(マルチ商法)を行っているリゾネットに対して、15ヶ月間の業務停止を命じた。代表取締役などにも同期間の連鎖販売業務の禁止も命じた。

勧誘者は「お茶しませんか。」などと呼び出した消費者に、旅行に安く行くことができる、収入も得られるなどと書かれた書面を読ませて説明会に誘い出し、消費者が断っても複数の会員が執拗に勧誘して、連鎖販売契約を締結させていた。契約者は登録費や入会金のほかに数万円の月会費も徴収されていた。リゾネットのホームページによると、全国約18カ所に自社施設を有しており、一泊1,620円で利用できるとしていた。

一方で、会員のみが利用できる施設の客室数は著しく少なく、かつ会員のみが予約し利用できる国内の提携宿泊施設はなかった。これにより会員のうちごくわずかしか、入会金や会費を上回る利益を受けることができる状況ではなかった。一方でリゾネットは、国内の提携施設は実際に存在するとしている。

特定商取引法の勧誘目的等の明示義務違反、権利の内容の不実告知、特定利益に関する事項についての不実告知、公告の表示義務違反などにより、「連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがある」と認められたことから、処分を決めた。

東京都によると、都内での相談件数は平成24年度には3件だったところ、平成28年度には213件に急増している。契約者の平均年齢は約30歳で、平均契約額は171,308円だった。

「顧問」と称し、取締役と同等以上の支配力があると認められる山本義憲氏、代表取締役山本夏氏、使用人である安藤実千枝氏と坂本英士氏に対し、2020年6月29日まで、連鎖販売の取引業務を新たに開始することも禁止した。

リゾネットは2006年に設立、1982年に創業。資本金は5,000万円。東京都に対して第3種旅行業の登録を行っている。会員数は2016年9月末現在で、都内に3,823人。2017年には、東京都も3ヶ月の業務停止を命じている。

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