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JAL、新制服発表 赤坂社長「相矛盾する思いが絶妙なバランスで仕上がった」
日本航空(JAL)は7月23日、2020年4月から着用を開始する新制服を発表した。
運航乗務員や客室乗務員のほか、整備士など航空運送事業に関わる全部門の制服についてデザインを変更した。また、沖縄地区において夏季に着用するかりゆしウェアの新デザインも発表されている。
羽田空港の格納庫で行われた発表会でJALの赤坂祐二代表取締役社長は、「制服は単なるユニフォームではなく企業のシンボル。イメージそのもの。変えるのは勇気のいること」と語った。現行の制服は「破綻以降の再建の象徴」として社員は愛着があり、変更にあたっては赤坂社長自身も悩んだという。新制服は、現行制服の利点を活かしながら品質・機能を兼ね備えたものとなった。赤坂社長は「新しいものに変えていくが、10年間の色々な苦労が染み付いた現行制服の良さや思いも残したい。相矛盾する思いだが、絶妙なバランスで仕上がったと思う」と話した。
客室乗務員・地上係員
客室乗務員および地上係員の新制服は、クリエイティブディレクターの江角泰俊氏がデザインを担当した。共通のデザインテーマは「ハイブリッドビューティ」。このテーマを考案するにあたり、江角氏はJALのスカイミュージアムでリサーチを行なったという。リサーチをもとに、「鶴をイメージしたJALの上品さ、優雅さ、エレガントさ」をイメージの核とした。
客室乗務員のワンピースは鶴の流線型をあらわす立体的なシルエット。ベースカラーはチャコールグレーとした。江角氏がデザインの「目玉」だと話す袖の形状は、航空会社の制服としては珍しいバルーンスリーブ。新制服選定にあたって発足したプロジェクトチームがモックアップ内で着用してサービスのデモンストレーションを行い、何度も修正を重ねて行き着いたデザインだという。また、新たに女性用パンツスタイルを導入。ワンピースと並んだ際に同じバランスとなるよう工夫されている。
地上係員の制服は、鶴をイメージした曲線的フォルムによりエレガントさを表現しつつ、さまざまな動きでも美しい所作を維持できるようパターンメイキングを工夫した。また、地上係員にもワンピーススタイルを新たに導入。構築的で現代的な美しいシルエットでありながら、動きやすさを追求した。地上係員の制服は客室乗務員と見分けがつくよう、ベースカラーをダークネイビーとしているほか、スカートに赤いラインを入れて違いを持たせている。
客室乗務員と地上係員のジャケット、ワンピースには異素材使いのハイブリッド手法が用いられており、脇の部分が伸縮性のあるリブ素材となっている。
運航乗務員
運航乗務員の制服は、従来と同様の伝統のデザインとしつつも、動きやすさを重視したパターンの変更などにより、機能向上を果たした。ジャケットがシングルボタンとなった女性用専用デザインも新たに導入しており、従来のネクタイに代わってスカーフを着用する。
整備士・グランドハンドリングスタッフ
整備士のカバーオールはデサントジャパンがデザインした。ロゴの鶴丸をイメージした大胆な切り替えのデザインに、スポーツウェアで培われた機能性を生かし、立体的かつスタイリッシュなシルエットを実現。美しく機能的な「パフォーマンスギア」となった。雨衣や防寒衣などのアウター類はモンベル製。豪雨・吹雪などの厳しい気象条件から身を守る優れた機能性と高い耐久性を実現しつつ、無駄を省き、使いやすさを突き詰めることで生まれる機能美を備えた。カラーは墨色とし、鋭い洞察力、安心・安全への決意を表現している。
グランドハンドリングスタッフの作業衣もデサントジャパンによるデザイン。整備士と共通したデザイン・品質・機能とし、カバーオールに加え、多様な働き方に対応できるセパレートタイプの作業衣を新たに導入した。加えて、酷暑への対応としてポロシャツを取り入れる。アウター類は整備士同様、モンベルによるもの。
かりゆしウェア
かりゆしウェアは江角氏がデザインを監修した。デイゴをはじめとする5つの沖縄の花を鮮やかな色彩で配置し、沖縄らしい明るさや温かみのある「おもてなし」の想いを表現。「現代的な新しさ」も感じられるデザインとなっている。さらに、今回から新たに運航乗務員にもかりゆしウェアを導入した。前立てに図柄を取り入りれ、客室乗務員、地上接客スタッフとの統一感を演出している。 なお、全てのかりゆしウェアは沖縄県内で生産している。