新千歳空港に第3ターミナル整備、北海道エアポートグループが提案

新千歳空港(第3ターミナル)

北海道内7空港の一体運営を行う、北海道エアポートグループが、新千歳空港に第3ターミナルを建設する計画であることが、国土交通省が公表した提案資料でわかった。

提案資料によると、運営開始当初は、既存の国内線ターミナルの改修や動線改修に優先的に投資し、運営開始から5年後から10年後までの間に国内線と国際線共用の第3ターミナルを新設する計画。投資額は約613億円を想定する。

現在の国内線ターミナルと国際線ターミナルの連絡通路部分には、バスやタクシーなどの公共交通機関を集約し、第3ターミナルや隣接する駐車場との間はBRTで結ばれる。この他にも、ビジネスジェット専用施設やホテル・従業員施設をを新設するほか、ケータリング施設を移設、国際貨物ビルの拡張整備を行う。

他の6空港では誘致が困難な長距離路線、アジアの地方都市路線を拡充する計画で、長距離アジア地方都市への路線を重点的に誘致するほか、東南アジア各都市への路線をオフピーク時間に戦略的に誘致する。2024年までに東アジアや東南アジア路線の拡充や、ヨーロッパやオーストラリア路線の新設、2025年から2037年の間にアメリカ路線の就航を目指す。30年後には欧米豪への路線を、現状の3路線から8路線へ拡充させたいとしている。東アジア主要都市への路線は分散対象路線として旭川や函館への就航を促す。

これにより、新千歳空港の旅客数は、2017年度の2,309万人から、2024年度には2,783万人、2049年度には3,537万人に増加することを見込む。

北海道エアポートグループは8月9日、北海道内7空港特定運営事業等で、国土交通省・旭川市・帯広市・北海道と基本協定書を締結している。代表企業は北海道空港、コンソーシアム構成企業は三菱地所、東京急行電鉄、日本政策投資銀行、北洋銀行、北海道銀行、北海道電力、サンケイビル、日本航空(JAL)、ANAホールディングス、三井不動産、三菱商事、岩田地崎建設、道新サービスセンター、電通、大成コンセッション、損害保険ジャパン日本興亜の17社から構成されており、特別目的会社(SPC)を設立し、2020年からビル経営、2021年までに空港運営事業を開始する。事業期間は30年で、不可抗力などによる延長を含め、最長35年。