JAL客室乗務員、乗務中に飲酒 乗客に提供していないシャンパン、ゴミ箱に

日本航空(JAL)は、12月17日の東京/成田発ホノルル行きJL786便(ボーイング787-9型機、機体記号:JA874J)に乗務中の客室乗務員が乗務中に飲酒していたとの社内調査の結果を明らかにし、12月25日に国土交通省で開いた記者会見で陳謝した。

同便は午後7時58分に成田空港を出発、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港には同日の午前7時27分に到着した。乗員12名、乗客123名の計135名が搭乗していた。客室乗務員は1995年4月に入社し、業務歴は23年8ヶ月だった。

客室乗務員は出発前のアルコール検査で、基準値の1リットルあたり0.10ミリグラムに対し、検知されたアルコール値は1リットルあたり0.00ミリグラムだったものの、離陸後、最初の食事サービス終了後に、近くにいた他の客室乗務員からアルコール臭がするとの報告が先任客室乗務員に対してあったことから、離陸から約3時間時点でアルコール感知器を用いてアルコール検査を実施したところ、呼気中から同0.15ミリグラムのアルコールが検知された。約30分程度の時間を置いて実施した再検査でも、再び同0.10ミリグラムのアルコールが検知された。1回目の検査でアルコール値の検知後には、一切の業務に従事させていないという。到着後に行ったアルコール検査では同0.00ミリグラムだった。

客室乗務員は飲酒は一切していないとの報告したものの、3名に乗務員がアルコールの臭いがしたと証言し、4名の乗務員が様子が通常ではないと話していること、2017年11月にも乗務中の飲酒の疑いを指摘していること、プレミアムエコノミークラス用のシャンパン(約170ミリリットル)がサービスに使用していないにもかかわらず、到着時に搭載時より1本少なくなっており、プレミアムエコノミークラス前方のギャレーのゴミ箱から空き瓶が見つかっていることなどから総合的に判断し、飲酒があったと判断した。

一連のアルコールに関する問題の再発防止策として、12月5日から全客室乗務員を対象として、乗務前にアルコール感知器によるアルコール検査を実施していた。また、アルコールに関する研修を12月末、グループディスカッションや関連教育も2019年3月にかけて実施する。

対策として、業務中の客室乗務員の相互確認で酒精飲料や薬品の影響が疑われる場合は、会社に報告することを義務付けるよう社内規定を改定する。機内や到着時のアルコール検査を随時実施する。さらに、アルコールにまつわる疾病や不祥事があった客室乗務員を組織として把握し、定期的に管理職が状況を確認する。管理職1人あたりの乗務員配置数も削減する。赤坂祐二代表取締役社長は月額報酬の20%、安部映里執行役員客室本部長は同10%を自主返上し、客室乗務員も処分する。

10月28日には、ロンドン/ヒースロー発東京/羽田行きに乗務予定だった副操縦士から、イギリスの法令で定められた基準値を超えるアルコール値が検出され、ロンドンの警察当局に拘束された。11月29日には禁錮10ヶ月の判決を受け、懲戒解雇処分としていた。