福井銀行など、新改札システムの実証実験 コード決済や顔認識用いた鉄道乗車見据える

juraca

福井銀行と福井新聞社は、福井鉄道、東芝インフラシステムズの協力の下、電子マネーカード「JURACA」などの非接触ICカードを利用した鉄道乗降実証実験を、11月8日から20日まで行う。

駅に設置される簡易改札機と運賃計算などを行うクラウドサーバで構成される改札システムで、非接触ICカードを利用した実証実験を行う。実際に福井鉄道の福井城址大名町駅と清明駅に簡易改札機を設置し、非接触ICカードを用いた乗車券・定期券利用や、改札システムの使用感の確認を行う。一般利用者は参加できない。

東芝インフラシステムズは、簡易改札機、運賃計算などを行うクラウドサーバ等で構成される改札システムを提供する。改札は、ICカードの固有IDをキーにして、ICカードのタッチにより駅での乗降車場所や時刻などの乗降情報、定期区間などの乗車効力情報を全てクラウド等のセンターサーバにて記録・参照(ICカードには情報を書き込まない)する。

「JURACA」は福井県が公認する唯一の電子マネーカード(ふるさと県民カード)だが、鉄道利用情報を記録する仕組みを持っていないため、鉄道利用ができなかった。今回同社が提供する改札システムでは、鉄道利用情報を一元管理するクラウドサーバを利用することで、鉄道での乗車券利用や定期券利用が可能となる。

実証実験では、利用者がICカードを駅ホームに設置された簡易改札機にタッチした瞬間にクラウドサーバと通信、リアルタイムにサーバ内で固有IDに紐づく乗車効力情報の参照、乗降情報の更新、運賃計算が行われ、簡易改札機に運賃等の表示が行わる。

この新しい方式(ABT方式)は、固有IDを基にセンターサーバ上で鉄道乗降管理を行う仕組みであることから、非接触ICカードに限らず、コード決済や顔認識を用いた改札システムなど幅広い応用が可能と考えられるとしている。