ANAの新シート搭乗記　電動リクライニング採用、より上質な空間に（プレミアムクラス編）

全日本空輸（ANA）が11月16日から運航を開始した新客室仕様のボーイング777-200型機。

運航を開始したのは1機で、時刻表や空席照会画面上では「722」と表記され、従来機の「772」と区別されている。11月16日から30日までと12月27日から31日までは、東京/羽田〜福岡線のANA243便とANA250便、東京/羽田〜大阪/伊丹線のANA27便とANA32便、東京/羽田〜札幌/千歳線のANA75便とANA82便に投入する。12月1日から26日までは、東京/羽田〜福岡線のANA241便とANA248便、東京/羽田〜札幌/千歳線のANA65便とANA68便、ANA75便、ANA82便に投入する。

今回、就航初日の東京/羽田〜札幌/千歳線に搭乗した。東京/羽田発のANA75便は普通席、札幌/千歳発のANA82便はプレミアムクラスに搭乗し、両座席の乗り心地を比較した。リニューアルの全体的な説明と普通席のレポートは前回の記事でお伝えしたので、本稿ではプレミアムクラスのレポートをお届けしたい。

従来よりゆったり感が増したプレミアムクラス

プレミアムクラスには、フランスのサフラン製の電動リクライニングシートが採用された。全体的な色合いは、プレミアムクラスは国際線ボーイング777-300ER型機のファーストクラス「THE Suite」とビジネスクラス「THE Room」のような茶色でシックにまとめられている。従来より座席数が7席（1列分）増えたことで、プレミアムクラス全体がゆったり、広々とした印象を受ける。座った感じもこれまでよりゆったりしている。以前の革張りのシートと比べると、座り心地が格段に良くなったように感じる。

座席は「2-3-2」配列で、今回搭乗した座席は、中央真ん中の2F席だった。両隣の席との間にはディバイダー（仕切り）があり、さほど隣の人は気にならない。かといって会話がしずらいというわけではなく、適度にプライバシーが守られているという印象。リクライニングして眠っている人が、寝顔が見られないくらいといえばわかりやすいだろう。

足元に荷物を置くには、少し心許ないスペースだったが、一応収納できた。荷物は手許にあったほうがなにかと便利なので、ビジネスバッグが座席下に収納できるか、できないかは重要なポイントでもある。

左右肘掛け下には500ミリリットルのペットボトルが2本ずつ入るサイズの物入れがある。右側にはAC電源、USB電源がコンパクトにまとめられており、充電中のスマホを入れておくのに適している。

モニターは国内線で最大となる15.6インチで、タッチパネルになっているものの、画面との距離が遠いため、座席のコントローラーを使うほうが現実的だろう。

大型テーブルは、仕事にも最適

テーブルは肘掛け部分から引き出す形で、13インチのMacbookProを置いた状態でも飲み物を置けるほど余裕がある。テーブルは縦にすることもできるので、食事中に席を立つことも容易。作業時にガタつくこともない。肘掛け下部分に電源があることから、ぶつかって外してしまうこともなく、ケーブルの余った部分も物入れに収納しておける。細かい点だが、ストレスは少ない。

シートは電動リクライニングで、フルリクライニング、元のポジションにはスイッチひとつで変更できる。個別機能ごとに、より細かく動かすことも可能だ。モニターの角度は大きく動かすことができるので、後席で映画を観ているという人も、邪魔をされることはない。

秋の味覚を満喫できる、ボリューム満点の機内食

プレミアムクラスでは、午前10時29分までの出発便では朝食、午前10時30分から午後1時29分までの出発便では昼食、午後1時30分から午後4時59分までの出発便では軽食、午後5時以降の出発便では夕食を提供している。

東京/羽田〜札幌/千歳・大阪/伊丹・福岡・沖縄/那覇線の幹線4路線では、シャンパン「シャンパーニュ・ニコラ・フィアット・レゼルヴ・エクスクルーシヴ・ブリュット」をミニボトルで提供。それ以外の路線はスパークリングワインで、全路線で日本酒やワイン、ビール（6種類）も用意している。

今回提供された夕食は、東京・板橋の割烹料理店「よし邑」が監修した、コラボレーションミール。栗の甘露煮や鮭きのこご飯など、秋の味覚が盛りだくさん。食後のドリンクは紅茶、パイナップル味のチョコレートとともに頂いていると、羽田空港に向けて降下体制に入った。

機内アナウンスによると、この日のフライトには、10人の客室乗務員が乗務していた。周りと見渡すと、ギャレーに1人、客室でサービスにあたるのは3人だった模様。1時間40分という短い飛行時間ながらも、食後のドリンクのお替りでさえすぐに出てくるなど、サービスが手厚くなった印象を受けた。

■新仕様機のダイヤ
（11月16日〜30日、12月27日〜31日）
ANA243　東京/羽田（08：20）〜福岡（10：15）
ANA250　福岡（11：20）〜東京/羽田（13：00）
ANA27　東京/羽田（14：00）〜大阪/伊丹（15：05）
ANA32　大阪/伊丹（16：00）〜東京/羽田（17：10）
ANA75　東京/羽田（18：00）〜札幌/千歳（19：35）
ANA82　札幌/千歳（20：30）〜東京/羽田（22：10）

（12月1日〜26日）
ANA241　東京/羽田（07：25）〜福岡（09：30）
ANA248　福岡（10：20）〜東京/羽田（11：55）
ANA65　東京/羽田（13：00）〜札幌/千歳（14：35）
ANA68　札幌/千歳（15：30）〜東京/羽田（17：10）
ANA75　東京/羽田（18：00）〜札幌/千歳（19：35）
ANA82　札幌/千歳（20：30）〜東京/羽田（22：10）