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スカイマーク、民事再生手続開始記者会見 質疑応答一問一答(前)
スカイマークは、1月29日午前11時より、井手隆司会長と有森正和新社長らが出席し、記者会見を開催した。
質疑応答の一問一答は次の通り、質問、回答ともに要約した。2回に分けてお送りする。会見冒頭の有森正和社長の経緯説明は、別途全文書き起こした。(冒頭の経緯説明はこちら)
ー利用者に混乱が生じていないか。
有森正和社長(以下、敬称略)「混乱なく皆様にご利用いただいている。事前に混乱のないように準備を進めていましたが、何の混乱もなくスムーズに。」
ースポンサーはインテグラル以外に、他の航空会社のようなところからの役員や出資の受け入れを想定しているか。
有森「検討中の段階。法的手続きを行う場合、手を挙げている会社はあるが、特定の航空会社から意向表明を出されたわけではない。法律に基いて適切に手続きを行っていく。」
ー JAL、ANAとのコードシェアの調整は今後どうなるのか。
有森「前向きにお願いしたいと考えている。」
ー西久保前社長はなぜいないのか。何をなさっているか。
有森「代表権、取締役も退任したので、承知していない。」
ー負債総額を考えると、今後、人員のリストラ、債権カット、不採算路線の撤退はいつだれがどのように行うのか、債権者に対し、どのような説明を行うのか。
有森「債権者会議を来週以降を設定しようと考えている。不採算路線の撤退は今後協議していこうと考えている。人員はそういうこと(リストラ)はやりたくないと考えている。」
井手隆司会長(以下、敬称略)「全社員には、雇用の安定を確保、安心して働くよう伝えている。私どもはリストラをやる予定はない。」
ーエアバスとの協議の状況、7億ドルの違約金について交渉中とのことだが、西久保前社長は去年10月頃に、周囲に合意したと繰り返していた。ステークホルダーへの違反行為になるのではないか。
有森「去年の7月に、損害賠償額については請求する予定との通知を受けていますが、詳細等はいただいていない。」
ー民事再生の申し立てで、飛行機のリース契約や燃料供給に支障はないのか。
有森「ボーイング737を中心に運航していこうと考えている。リース料を前払いで払っているので、リース会社にご理解いただけると考えている。燃料も同じく前払いで支払いしているので、同じようにご理解いただけると思っている。」
ー負債総額には、エアバスの違約金は含まれているのか。今後、交渉が動いた場合は負債総額は増減するのか。
有森「確定した数字はもらっていない。上下することはあり得る。」
弁護士「合意に至っているものではないので含まれていない。」
ー不採算路線について、路線縮小を考えている路線が具体的にあれば。
有森「国交省に届け出をしているところ。2月1日から3月28日、それ以降についても届け出をしている最中。152便運航しているが、水曜日以外は24便、水曜日は26便を運休する。3月29日以降は、石垣、宮古も撤退を考えている。」
ー撤退について、今の時点で決まっているのは。
有森「運航オペレーションに支障をきたさないように、ご迷惑をお掛けしないよう考えて進めていきたい。全部で十いくつの運休便の路線がある。」
ーA330は現在6機あるが、今後は10機入れられるのか。
有森「A330については、今後リース会社と協議する。」
ー損害賠償はエアバスのみなのか、ロールスロイスから求められる可能性はあるのか。
有森「真摯に前向きに誠実に交渉していきたい。」
ー米子の撤退は検討しているのか。
有森「今後、相談しながら進めていく。何か決まったわけではない。」
ー西久保前社長カラーは一掃するのか。
有森「スカイマークが非常に厳しい時に出資し、貢献した方でもある。全部消すとかは全く考えていない。我々が考えているのは、取り急ぎまず再建するということだけに集中したい。」
ーインテグラルからは、いついくら融資を受ける予定か。
有森「コミットメントラインの設定でお願いしている。時期とか額はこれから相談しながら進めたい。」
ースポンサー選定のスケジュールは、どのような形でいつごろになるのか。
弁護士「現時点で確定的に決まっていることは、来週水曜の午後に債権者説明会を開催し、裁判所に開始決定をいただけるかの判断をいただく。スポンサー選定も含めて、その後のスケジュールは未定。」
ー不採算路線の減便によって、どれくらいコストが改善するのか。
有森「月に約5000万円くらいはコストセーブできると考えている。今後、収益計画を立てて検討していく。」
ー負債の710億円に、エアバスの違約金が入っていないというのは前払金も含めて入っていないのか。
有森「前払金も含めて入っていない。」
ー違約金が不確定のままで、再建手続きを進めることは可能なのか。
弁護士「民事再生法の中で、債権額を確定して再生計画を決議するというのが大きなプロセスになる。債権者の数や額によって法律に所定要件がある。確定して、承認可決とのプロセスになる。」
ーエアバスとの違約金が確定する目処は。
弁護士「今後交渉していく。」
ーコードシェアは当初JALとやるとのことだったが、国交省の意向もあった。JALとの場合は2月に開始するとの話もありました。実現したら事態は変わっていたか。
有森「コードシェアだけで何かどうかというわけではない。売上に貢献してもらえるので非常に良い事だが、それ以外にもいくつも改善しなければいけないところがある。今後皆さん、債権者と協議して進めたい。」
ー西久保前社長は、取締役会で経営責任に言及はあったのか。
有森「個人でどうこうということではない。(井手)会長、私を含め、経営責任がある。ご迷惑をおかけしたことを痛感している。今後、法的なお話かもしれないが、最終的には第三者でお決めいただくということ。我々は再建計画をきちんと進めていくことを皆様方にご理解いただけると信じている。」
ー不採算路線撤退や減便で、再建を進める中で、羽田以外の空港をどう位置づけるのか。神戸空港は西の拠点として地方路線を結んでいたが。
有森「全てのネットワークが非常に重要な拠点と考えている。今後の再建計画を含めて、空港をどうするかを考えたい。神戸空港はハンガーも持っており、他と同じくらい重要な空港。他がどうこうということではなく、今のネットワークを維持したいと考えている。」
ー民事再生計画を作る上でのスポンサーもインテグラルを中心となるのか。
有森「法律に基いてやっていく。(インテグラルは)候補の一つとして考えている。」
弁護士「スポンサーの選定は、監督委員の同意の必要がある。どういうスポンサーで、どういう再生計画をつくるかということになる。当然再生計画には、再生債権者の法律上の賛成が必要になる。現時点でここから動き始めて決まっていく。」
ー再生計画を認めてもらう上で、債権者の同意が必要になるが、大きな債権者になるリース会社とエアバスの両社へは話し合いが行われているのか、民事再生法の適用に同意を得られる見通しか。
有森「エアバスやリース会社にはご理解いただけるよう、最善を尽くす。」
ー法的手続きの段階で意向表明している会社はインテグラル以外にもあるのか。スポンサー選定では、第三極の立場を維持することを前提とするのか。こだらわらずに、大手航空会社から意向表明があれば受け入れるのか。
有森「スポンサーはインテグラルから表明はあるが、それ以外はない。航空会社についても、今出たばかりなので何もいただいていない。第三極はそういう形を取って行きたいと考えているが、債権者やスポンサーと相談しながら協議していきたい。」
ー具体的な策はまだ決まっていないのが現状か。
有森「我々だけで何かできるというわけではない。事業スポンサーと協議している最中。」
ーイスラム国の報道が盛んなこの時期にどうしてこの発表なのか。
有森「運航を継続し、オペレーションを守っていけるというタイミングで今の時点ということ。」
ー経営破綻に至った最大の要因はどう考えるのか。A380の6機購入契約は身の丈に合わない投資と呼ばれたが、判断したのは誰か。経営責任、判断を止められなかった当時の経営体制をどう考えるか。
有森「私ども役員が当時正しいと判断して決断した。その時は円安はなかった。その時の環境で一番適切な判断をした。経営責任については、皆にあると考えている。ご迷惑をおかけした方に大変申し訳無いと痛感している。」
ーそれはA380の購入決断が経営破綻の原因か。
有森「それで結構となる。」
(後編に続く)
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