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1993年まで実在した香港の「九龍城」を追体験できるミラクルなサイト公開 ウォール・ストリート・ジャーナルが作製
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、なぜ今は無き九龍城砦を執拗にここまで追い続けるのだろうか?
世界的に見ても、この九龍城砦ほど旅人を惹きつけてやまない建築物も珍しい。それは、往年の日本人バックパッカーにとっても同じことで、鮮明に記憶と匂いが脳裏に焼き付けているという方も多いだろう。
WSJが一つの答えを出すべく、九龍城砦を追憶し追体験できるサイトを作製し公開した。
膨大なその記録は、単に当時の写真や動画というだけでなく、多くの研究者や旅人、そして貴重な住人へのインタビュー映像を通じて、人々の生活やその背景にある政治的な事情も浮き彫りにしていく。
この九龍城砦に関しては、魅了され続ける多くのクリエーターによって、様々な形態で表現されている。「City of anarchy」と題されたグラフィクスもその一つで、とても魅力的だ。
当時の住人へのインタビューと共に、ご本人にまつわる様々な情報が詳細に示されている。
WSJはこのサイトの他にも、「記憶のなかの都市:20年後の九龍城砦」という日本語でのドキュメンタリーも作製している。この動画の中には、かつて九龍城を訪れて魅了され、詳細に九龍城を神奈川県川崎市に再現した日本人へのインタビューも収録されている。
単なるノスタルジーでは片付けられない九龍城の記憶。
それは目に焼きついた光景であったり、鼻腔に張りついた匂いでもあり、また雑踏と生活の音であったりする。このサイトのトップページで流れるこの「音」こそが、九龍城そのものであったのかもしれない。すぐ頭の上をかすめるように飛んでいく機体が懐かしい。