10/1の「ANAエアラインスクール」開講式典の様子 ANAの現役CAが接遇のプロを育成する Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner
ANAホールディングス傘下のANAビジネスソリューションは10月1日、ANAの現役CAが講師を務める「ANAエアラインスクール」を開講しました。目指すは「おもてなしの心」の育成。
開講式典に参列したANAエアラインスクール第1期生 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner
ANAエアラインスクール(東京都築地)は世界トップレベルのサービスを行うANAグループの現役CAが、接遇のプロを目指す学生を対象に社会人としての基礎力や就活サポート、ANAが培ってきた接遇プログラム等を提供。学生が大学などに通学しながら受講できるダブルスクール型です。
開講前、受講する学生は皆緊張した様子で、その雰囲気を和ませたのが講師陣。「毛布はいかがですか。」「初日で緊張していらっしゃいますでしょう。どうぞリラックスなさって下さい。」と、機内で行うサービスと同様に受講生を満面の笑みでおもてなし。報道陣に対しても細かい気配りをする徹底ぶりです。
ANAエアラインスクールの開講に至った背景として、ANA取締役執行役員の河本宏子客室センター長は「ANAが培った接遇ノウハウを活かせば、ANAグループ全体の収益構築に役立つと思い、新しいビジネスを始めるANAビジネスソリューションと手を組んだ。」という。最大収益をあげるためのやり方を模索しつつ、これをきっかけに今後も魅力あるサービスを展開してきたいとしています。
おもてなしには「気づきが大切」と語るANA客室乗務員の倉園 恵笑子さん Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner
「7月に講師の話をいただいた。大役が務まるか不安だったが、身を引き締めてやっていきたい」。そう語るANA現役CAの倉園恵美子さんは国内線・国際線ともに乗務し、チーフパーサーとファーストクラスも担当する接遇のプロ。
エアラインスクールの講師を務めるにあたって、どのような人材を育てたいか尋ねると、「『気づく』ことが大切。気づくという力をもってお客様に対応し、おもてなしの心を言葉や表情で伝えていくことを生徒に教えていきたい。」とコメント。
17年のキャリアを活かし、先輩方など多くの方の力を借りて、自身が今までANAと乗客から学んできたおもてなしを生徒に伝えたいとしています。
式典に参加したエアラインスクール第1期生の大学3年生は、「CAになりたい憧れから応募した。高額な受講料を払ってくれた両親のためにも、きちんとした成果を出したい。夢は全日空のCAです。」と意気込みを語りました。
ANAビジネスソリューションによると、ANAエアラインスクールの第1期生は合計68名。「ベーシックコース(受講料295,000円)」、「アドバンスコース(同315,000円)」の2コースがあり、開講初日はマナーや言葉遣い等を中心とした「社会人の心がまえ」、航空業界を研究する「航空運送事業の特性」を受講。
今後3カ月間はANAグループの施設を活かした脱出シューター訓練や各施設の見学、メイクアップ講義や感性のスキルアップなど、24回のプログラムを経て接遇のプロを育成します。
ANAエアラインスクールによると、現役CAから学んだことは航空業界をはじめ、飲食店やホテルなどさまざまな業界で活かして欲しいとしています。