航空会社初 キャセイパシフィックがバイオ航空燃料開発企業に出資

キャセイパシフィック航空

バイオ燃料戦略の一環でフルクラム社への出資を発表したキャセイパシフィック航空=14年6月 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner

 キャセイパシフィック航空(CPA)はバイオ航空燃料の開発企業である米国のフルクラム・バイオエネルギー社(フルクラム社)への出資を発表しました。航空会社によるフルクラム社への出資はキャセイパシフィック航空が初めて。
 今回の出資はキャセイパシフィック航空のバイオ燃料戦略の一環であるとともに、2020年以降の二酸化炭素排出量削減目標として掲げるカーボンニュートラルの達成に繋げていきます。都市固形廃棄物から持続可能な航空燃料、すなわちバイオ航空燃料への転換技術の開発・商業化で世界最先端を行くフルクラム社に対して、同社は戦略的な株式投資を実施。今後の追加投資についても視野に入れています。
 キャセイパシフィック航空では今回の出資に加えて、フルクラム社から向こう10年間に3億7500万ガロン(約14億2000万リットル)の持続可能な航空燃料の供給を受ける長期契約を締結。これは現在の年間使用航空燃料の2%に相当する量で、供給される燃料は同航空が定める全ての技術的要件と規格に適合したものとなります。フルクラム社では今年後半に最初の商業プラントの着工を計画するとともに、キャセイパシフィック航空のネットワーク戦略を配慮した北米の複数地点で、大規模な再生可能航空燃料の生産拠点を設けていきます。
 フルクラム・バイオエネルギー社のジム・マシアス会長兼最高経営責任者によると、フルクラム社の廃棄物燃料製造技術によって生成される航空燃料は、航空機や陸上の輸送車両で利用される際、従来の原油や他の化石燃料と比べてライフサイクル二酸化炭素排出量を80%以上削減することが可能だという。