MRJによる最新の飛行試験の様子 資料提供:三菱航空機
三菱航空機は3月29日、MRJの飛行試験状況を発表しました。
MRJの飛行試験初期段階では、飛行高度、飛行速度を高めていくことが一つの目的であり、最高高度は3万5000ft (約1万500m)、最大速度はマッハ 0.65 (250Kt、約450Km/h)まで順調に進んできています。
最近の飛行試験では、片方のエンジンが停止した場合を想定した飛行能力の検証も行っている 資料提供:三菱航空機
3月には初めて日本海上空での飛行試験や、自衛隊の随伴機、T-4を伴わない単独での飛行試験も実施。最近の飛行試験では、緊急用発電機の動作確認や、片方のエンジンが停止した場合を想定した飛行能力の検証を開始するなど、飛行中の安全機能の確認を進めています。
組立を終えた疲労強度試験機については3月15日早朝、技術試験場に移送しました。機体の強度を検証する地上試験のうち、疲労強度試験では離陸、巡航、着陸など、MRJを運航する際に繰り返しかかる力を加え、機体の耐久性を確認します。
先行している静強度試験は計画通りに進捗しており、今後、疲労強度試験も着実に進めていくと説明しています。
MRJの量産機を製造する最終組立工場(愛知県豊山町) 資料提供:三菱航空機
三菱航空機は2015年1月に着工した県営名古屋空港に隣接するMRJ最終組立工場が完成し、2016年3月1日に竣工式を行いました。
延床面積約4万4000平方メートルの建屋内は主に胴体結合・翼胴結合・尾翼結合を行う「構造組立ライン」と、エンジンや客室内装も含めた艤装作業を行う「艤装ライン」で構成されており、月産最大10機の生産に対応します。
今後生産設備などを搬入して量産の準備を行い、今秋には量産機の組立を開始する予定です。工場内は見学できる施設の準備も進めています。