オーバーブッキングで座席を譲って儲ける方法〜国際線編〜

ホテルや飛行機では、予約を受け付ける際に、キャンセルを見越して座席数より多くの予約を受け付けることが多くある。この結果として、予約者(搭乗者)が座席数を超えてしまう状態を「オーバーブッキング(過剰予約9」という。

「オーバーブッキング」は出発の数日前から、出発の直前に判明する。東京〜大阪線のように出張などのビジネス利用者が多く、打ち合わせが早く終わった、などの理由で早い便や遅い便に変更されることが多い路線では、最終的な搭乗者数が座席数と一致するよう、多めの予約を受け付けることがある。一方で、航空会社の予測に反して変更や取り消しする人がいなかった場合には「オーバーブッキング」の状態となる。

国際線では国内線とは事情が異なる。

海外ではキャンセルや変更の手数料が安い航空券が多く、キャンセルや変更が頻繁に行われることが多いほか、「オーバーブッキング」であるにもかかわらず、団体などの安い運賃の乗客より正規運賃を支払う直前予約を受け付けてしまうこともある。この他に、乗継便の遅延や欠航で乗客が唐突に増えてしまうということも一因となっている。

「オーバーブッキング」が発生した場合、航空会社は座席を譲ってくれる予約客を募集する。大抵は航空会社のバウチャー、現金、マイル、ミールクーポン、上級クラスへのアップグレード、次回以降利用できる無料航空券などの対価によって募集する。翌日以降のフライトとなる場合には、ホテルや滞在中の食事、国際電話代、送迎なども含まれる。

万が一見つからなかった場合には条件が引き上げられることが多い、筆者が体験したケースでは、台湾に行く際に米系航空会社から同日の2時間後の日系航空会社への振替で、400ドルの航空会社の利用クーポン(1年有効)をもらうことができた。すでにその便は搭乗を開始しており、切羽詰まった状態だったようだ。理由は前日にアメリカから到着する1便が欠航となり、その乗客が翌日便で来たため、座席が足りなくなってしまったとのこと。ちなみに航空券代金は2.5万円だったため、航空券代金を回収してしまったことになった(マイルは米系、日系の両航空会社分付与された)。

条件が合えば、一撃で無料旅行ができてしまうため美味しいわけですが、一方で気をつけておかないといけないこともある。翌日以降のフライトとなってしまう場合、ホテルのキャンセル料必要になってしまうこともある。例えば、ハワイのビーチリゾートのホテル1泊、数万円相当に泊まれないとなれば、いくら数万円の協力金をもらえたとしても割に合わないだろう。航空会社によっては、キャンセル料を補償してくれることもある。

「オーバーブッキング」になった際には、チェックインカウンターで張り紙が行われていたり、搭乗ゲートでのアナウンスがある場合が多いとなる。チェックインの締め切り時間ぎりぎりなどの場合、搭乗手続きを拒否されてしまうこともあるようだ。

エコノミークラスのみが満席で、ビジネスクラスに空席がある場合には、「インボラアップグレード」などを呼ばれる、エコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレードを無償で行うこともある。その際にはビジネスクラスへのアップグレードを割安な価格で販売して、無償でのアップグレードを極力減らそうとしていることもある。「インボラアップグレード」は航空会社のマイレージプログラムの上級会員や、移動させやすい一人での搭乗客を優先させていることが多いようだ。