台風9号、建物倒壊の危険のある猛烈な風のおそれ 沖縄発着航空便は全便欠航も

台風9号(30日午後9時)

大型で強い台風第9号の影響により、沖縄地方を中心に8月31日から1日にかけて大荒れの天気となる見込みで、沖縄地方では一部の住家が倒壊する可能性もある猛烈な風が吹くおそれがあるとして、気象庁は厳重に警戒するよう呼びかけている。

気象庁「住家が倒壊する恐れもある猛烈な風」

気象庁によれば、大型で強い台風9号は、30日午後9時には、フィリピンの東を1時間におよそ10キロの速さで北へ進んでいる。この台風9号は、発達しながら北上し、31日から9月1日にかけて非常に強い勢力で沖縄地方に接近する見込み。

風の強さと被害(沖縄気象台)

風の強さ(平均風速)と被害の関係(沖縄気象台)

特に沖縄本島地方と宮古島地方では、31日の夜のはじめ頃から暴風となり、9月1日はさらに風が強まって、一部の住家が倒壊するおそれもある猛烈な風の吹く所がある見込みとしている。予想される最大風速は、沖縄本島地方で40〜50メートル、宮古島地方で30〜40メートル。最大瞬間風速は、70メートルに達するおそれがある。

気象庁や地元の気象台は、風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど、暴風に厳重に警戒するよう呼びかけている。

また、沖縄本島地方では1時間に80ミリの猛烈の雨となるなど、大雨の見込みで、土砂災害や低い土地での浸水、河川の増水や氾濫に警戒・注意するよう呼びかけている。高波や高潮、発達した積乱雲による落雷や竜巻などの激しい突風の恐れもあり、安全を確保するよう呼びかけている。

31日全便欠航も 1日も運航乱れる見込み

ANA/JAL

空の便の運航にも影響は避けられない見通しだ。

日本航空(JAL)とJALグループ各社は、すでに欠航を決めている。沖縄/那覇発着便は、31日は一部の便を除き、終日欠航を決めた。また、与論、北大東、南大東、久米島、多良間、与那国空港発着便も、31日の全便欠航を決めた。そのほかの奄美地方、沖縄地方の空港発着便の一部も欠航が決まっており、1日も両地方の運航に影響が出るおそれがある。

JALは、これらの空港を発着する航空便について、無手数料での変更・払い戻しを行う特別対応を実施する。

全日本空輸(ANA)は、31日の宮古空港発着便全便の欠航を決めた。沖縄/那覇・石垣発着便でも一部の便を除き終日欠航する。9月1日も上記3空港発着便に影響が出るおそれがあるとして、無手数料での変更・払い戻しを行う特別対応を実施する。

スカイマークは、31日に沖縄/那覇を発着する全便と1日の一部便の欠航を決定した。奄美大島空港と沖縄/那覇空港を発着する便について、無手数料での変更・払い戻しを行う特別対応を実施する。

スターフライヤーも、31日の北九州〜沖縄/那覇線の欠航を決めた。ソラシドエアも、31日の沖縄/那覇・石垣発着のほとんどの便で欠航を決めている。

ジェットスター・ジャパンとピーチ・アビエーションも、沖縄/那覇、宮古/下地島、石垣の各空港を発着する便の欠航を決めている。

航空各社は、台風の進路によっては欠航が増えるおそれがあるとして、利用者に対し最新の運航情報などを確認するよう呼びかけている。