大韓航空、アシアナ航空を1.8兆ウォンで買収

大韓航空(エアバスA330-300型機)

韓国の航空会社でシェアトップの大韓航空が、2位のアシアナ航空を買収する。経営再建中のアシアナ航空の主要債権者である、韓国産業銀行が明らかにした。

グループの韓進ナイフが、買収原資となる2.5兆ウォンの大韓航空の増資を引き受ける。大韓航空は、アシアナ航空の1.5兆ウォン相当の新株と、3,000億ウォンの債券を引き受け、筆頭株主となる。統合を推進するため、韓国産業銀行は8,000億ウォンを投資する。

韓国産業銀行は、世界的な航空業界の競争激化と新型コロナウイルスの影響長期化により、航空業界の構造再編などの競争力向上の努力なく、韓国国内の航空会社の経営正常化は見込めないと判断。過去20年間で、人口1億人以上の国を除く多くの国では、航空会社は1社に再編されているとしている。国際航空運送協会(IATA)の2019年の旅客・貨物輸送実績では、大韓航空が世界19位、アシアナ航空が同29位。統合によって、7位に大きく順位を上げる。

仁川国際空港でのシェア拡大のほか、世界各国の航空会社とのジョイントベンチャーの拡大、新路線の就航、乗り継ぎ需要の取り込みにより、規模の拡大を目指す。

両社の傘下にある、ジンエアー、エアプサン、エアソウルの格安航空会社3社は段階的に統合し、地方空港を拠点としたハブの構築や、統合後の余剰を活かした地方路線の拡充により、地方経済の活性化も見込む。さらに、海外に外注していた整備を国内で行うことなどにより、整備などのMRO関連産業の育成も見込む。

株式市場は買収を好感し、韓進KAL、大韓航空の株はそれぞれ20%以上、値を上げている。