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イベント自粛の空気に風穴を JR東日本、山手線全30駅でアート&音楽イベント
JR東日本は11月16日、山手線の全30駅を舞台に、ARや音楽、アート体験を楽しめるイベント「HAND! in Yamanote Line」を開始した。30日までの15日間、アーティストよる音楽ライブやライブペインティング、インスタレーションアートなどを各駅や周辺施設などで展開する。
山手線を起点として豊かな都市生活空間を創造しようという同社の取り組み「東京感動線」の一環。イベント名は、先の見えない今だからこそ前向きになれるような体験をしてもらいたいという思いから、「Have a Nice Day!」の頭文字を取って「HAND!」とした。
高輪ゲートウェイ駅では11月16日、オープニングイベントとしてアートと音楽のコラボレーションライブが開催された。東京交響楽団の有志ユニット「はからめカルテット」による演奏に合わせて、アートイベントなどを手掛ける「OVER ALLs(オーバーオールズ)」が山手線の車窓をイメージした作品を描き上げるライブペインティングを披露した。
11月24日から26日までの3日間は、オーバーオールズのアーティストが山手線を乗り降りしながら全30駅でライブペインティングを披露するという。イベント最終日の11月30日には期間中に制作した作品を東京駅に集めたフィナーレイベントを開催する。
有楽町駅や原宿駅ではDJイベント、西日暮里駅では花型の風ぐるまを作るワークショップ、マーチエキュート神田万世橋ではアカペラコンサートが行われるなど、道すがらにふらっと参加しても楽しめるイベントが多い。
また、東京駅と原宿駅では、スマートフォンアプリを使用するAR・VR体験を展開。東京駅ではKDDIの空間認識技術(VPS)を活用し、仙台七夕まつりの吹き流しや東日本の工芸品などを丸の内駅舎に映し出す。3月に新駅舎の供用が開始された原宿駅では、解体中の旧駅舎をVRで再現する。
イベントを企画したJR東日本東京支社事業部の山手線プロジェクトメンバーは、社会全体に先行きが見えない空気が蔓延するなかで、駅という日常の中でアートや音楽を楽しんでもらうことを目指したと話す。
企画を立て始めたのは、緊急事態宣言解除後ながらも各地の美術館やイベントが閉館・中止となっていた6月頃。「そういう場所に行けないなら、アートや音楽のほうからこっち(駅)に出てきてもらえばいい」と企画した。そのうえで、「美術館のように作品を並べて展示するよりは、ライブ感のあるもの」を展開し、気軽にすっと入り込めるようなコンテンツにしようと考えたという。
イベントの開催可否が、日々の感染状況だけでなく世間体にも左右される世の中。山手線プロジェクトメンバーは、「JR東日本が大規模な祭典をやることで、そういう曖昧な空気に風穴を開けられたら」と話す。「感染対策はきちんととったうえで、みんなが少しでも前向きになれるようなイベントになれば嬉しい」。
▲高輪ゲートウェイ駅で行われた「はからめカルテット」と「オーバーオールズ」によるオープニングイベント