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「Go To」ナシでも観光客殺到 ”海外代わり”の沖縄にバブル到来か【コラム】
緊急事態宣言が解除され、観光も復調しつつある。その中でも特に観光客が殺到しつつあるのが、沖縄だという。Go To トラベルキャンペーンがなくとも観光客が押し寄せる理由は何なのだろう。背景を考察したい。
観光事情
新型コロナウイルス感染症の影響で、観光目的での海外との往来は、実質的に不可能になった。2020年3月から4月にかけて、各国の渡航制限も強化され、現在に至るまで丸1年ほぼ同じ状況が続いている。
2020年のゴールデンウィーク、お盆、年末年始はいずれも国内旅行でさえも制限される状況にあったため、旅行の消費額が減って、お金がダブついている状況にあると分析できる。家族旅行に行くタイミングがほとんど奪われ続けたため、「我慢の限界」として旅行に出かけようという動きが出ているのだろう。
特に沖縄は、他の都道府県と異なり、亜熱帯気候のリゾート地である印象が強く、米軍基地隣接地やアメリカンビレッジなどでは「疑似海外体験」もできる。
また、沖縄ではレンタカーでビーチなどの観光地を周る観光が一般的で、新型コロナウイルスの影響で公共交通機関を敬遠する層にも適している(図は沖縄県の令和元年度観光統計実態調査を一部改変)。例年海外旅行をし、非日常体験をしてきた層の一部がこれらの非日常体験を求めて押し寄せているといえるだろう。
宣言解除で、急激に観光客が戻る
すでに沖縄では本島を中心に急激に観光客が戻っている。全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)ともに東京/羽田〜沖縄/那覇線では通常ダイヤにほぼ近い便数を設定し、3月から4月にかけては週末を中心に満席や空席わずかの便も出ている。
那覇空港では、飲食などのテナントに客が戻っており、人気のポークたまごおにぎりの店舗では行列も見受けられる。空港ではレンタカー店の送迎バスが多くの客を乗せて行き来する光景も見られるようになってきた。
観光地では、顕著な混雑こそ見受けられないものの、観光客向けの店は営業を再開し、観光客が見受けられるようになった。那覇空港近くの瀬長島・ウミカジテラスにも、賑わいが戻り始めている。
空港や観光地では修学旅行と思しき学生や観光バスの姿も見受けられた。沖縄県や沖縄観光コンベンションビューローは、感染予防対策を施した修学旅行をアピールするオンライン説明会を、学校関係者や旅行会社に対して複数回に渡って行うなど、力を入れている。
これらの状況を踏まえると、沖縄、特に本島地方では確実に観光が戻ってきているといえるだろう。
航空各社は臨時便を多数設定、GWは空席わずか
今後もこの状況が続きそうだ。ANA、JALともに予約状況が好調であるとみられ、4月の週末やゴールデンウィークなどに臨時便を設定する。東京発着以外の路線でも、減便していた便を復便するなどしており、さらなる観光客の入り込みが見込まれる。
宿泊施設も、予約サイトではゴールデンウィークは空室が少なくなっているという表記が見られるようになるなど、沖縄の本格的な観光シーズンの到来に、自粛の”反動”とも言える旅行の増加が合わさる形になっている。
今後もしばらく沖縄人気は続く見込みだ。多くの人が密集するような状況があれば、感染リスクも高まる。もちろん感染対策も必要だが、充分な対策が講じられている施設でも、人気が集中することによって、観光しづらくなる状況も懸念される。
日本にはたくさんの観光地があるなかで、選びたくなる魅力が沖縄にあるのも事実だが、これから旅行計画を立てる人は、具体的な計画を練り、他の旅行先と比較して検討することを薦めたい。