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自動運転の搭乗橋、成田で運用開始 5年後めどに完全自動化
成田国際空港(NAA)は4月20日、航空機に自動で脱着できる搭乗橋(PBB)の運用を開始した。三菱重工交通・建設エンジニアリングとの共同開発契約によるもので、2026年度をめどにPBBの完全自動運転化を目指す。
新たに運用を開始したPBBは、事前に航空機の機種を設定するだけで、位置や高さ、角度を自動調整する仕組み。あとは操作盤のレバーを倒せば、自動運転でドアの15〜10センチ手前まで接近する。最終的な装着は手動操作となるが、角度などはすでに調整されているため、ドアまでの距離に気を配るだけでよい。自動運転で最後まで装着させることも可能だが、安全性を担保するため最終操作については当面は手動で運用する。
PBBの操作は通常、訓練を積んだオペレーターが手動操作で装着させている。JALでは、熟練したオペレーターが1分50秒ほどで装着できるところ、新人の場合は3分ほど要することもあるという。新たなPBBでは経験の多寡にかかわらず2分ほどで装着できるため、作業時間が均一化できる。
NAAは2019年4月、新明和工業製のPBB自動装着システムを第2ターミナルの64番スポットに試験導入している。同システムは、人工知能(AI)による画像認識とレーザーによる距離測定を組み合わせ、ドアの10センチ手前まで自動運転する仕組み。同年9月まで実証実験を行い、その後第1ターミナルの54番スポットにも導入して実運用している。今回導入した三菱重工交通・建設エンジニアリング製のPBBは、まずGPSで大まかな位置情報を把握。カメラでドアの位置を認識し、レーザーで距離を測定することでより正確に位置調整を行う。
まずは第2ターミナルの67番スポットのL1ドア用PBBに導入し、運用しながら機能の高度化や完全自動運転化に向けた開発や検証を進める。2022年度にはPBB内の操作盤を使わずタブレット端末などで遠隔操作する機能、23年度には2基以上のPBBを同時に装着する機能の導入を目指し、完全自動化は5年後の26年度を見込んでいるという。