谷川岳ロープウェイ、「谷川岳ヨッホ」に名称を変更 12月1日から
GWの渋滞予測ができない? コロナで車シフト進み、激しい渋滞のおそれも【コラム】
春の大型連休、ゴールデンウイークが始まった。東京や大阪など4都府県には緊急事態宣言が発出されているものの、”密”を避けながら外出をする機運は全国的には高まりつつある。そんな中、例年行われている高速道路の渋滞予測ができない”異常状態”に陥っているという。
渋滞予測は”休止中”
高速道路の渋滞予測は、ラジオニュースなどで名前をよく聞く日本道路交通情報センターと各高速道路会社が収集した情報を元に、公式に発表している。特にゴールデンウイークやお盆、年末年始は数十キロにわたる渋滞が予測されるとして、渋滞が予測されるタイミングを避けて利用するように呼びかけてきた。また、日本道路交通情報センターは一般道路などでも渋滞予測を提供していた。
2020年4月ごろから、日本道路交通情報センターと高速道路各社は、相次いで渋滞予測の提供を中止した。各社とも理由は「昨今の交通状況を鑑みる」などとしている。
日本道路交通情報センターによれば、渋滞予測は休日や曜日の配置、天候、祭りや紅葉などのイベントなどを要素としてシミュレーションされてきたという。しかし、2020年4月に初めての緊急事態宣言が発出され、「感染症により外出を自粛する」という社会の動きが、史上稀に見るスケールで発生した。そして今に至るまで続いている。
この新型コロナウイルス感染症や、感染拡大にともなう社会の動きは、今までのシミュレーションでは対応できないとみられる”異常事態”なのである。さらに、国や地方自治体は「自粛をお願いする」という姿勢のため、この要請に従う人がどれほどの割合なのかといった、複雑な要素も発生する。交通状況の予測は極めて困難であるだろう。
なお、NEXCO東日本はNTTドコモと提携し、当日午後の渋滞予測を、区間限定で、午後2時に発表する「AI渋滞予知」を実証実験している。また、ナビタイムジャパンなど、独自の渋滞予測を行っている事業者もある。
公共交通機関を敬遠し、自家用車・レンタカーにシフトするトレンド
新型コロナウイルス感染症の影響で、旅行のトレンドは車にシフトするトレンドが明らかになりつつある。
JTBが東京都や大阪府に緊急事態宣言が出される前に実施した意識調査「ゴールデンウィーク<2021年4月25日~5月5日>の旅行を取り巻く環境と1泊以上の旅行に出かける人の意識調査」では、ゴールデンウイークに旅行に「行く」「たぶん行く」と回答した人は、10.3%で、例年の半分以下。旅行目的や動機は「リラックスする、のんびりする」「家族と楽しく過ごす」「自然や風景を楽しむ」といった回答が多く、旅行先でゆったりと過ごす傾向がみられる。
そして、旅行に行く予定がある人の利用交通機関は、例年と同じく「乗用車・レンタカー」が最も多く65.0%。ただ、新型コロナの感染が増加傾向にあるなかで、旅行において特別に考慮したことを問う質問では、「公共交通機関を使わずに、自家用車やレンタカーを使う」と回答した人が36.5%で最も多かった。この調査の後、緊急事態宣言発出や、鉄道・バスの減便などが発表されたため、車にシフトするトレンドがますます強くなる可能性は否定できないだろう。
コロナ禍で迎える2度目のゴールデンウイーク、地域によって感染の状況に差があり、車で外出を計画している人も多いのではないだろうか。予測不能な混雑に備え、ゆとりのある行動を心がけるのがよいだろう。