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気分だけでもオーストラリアへ JALら、余剰の国際線機材で成田発“海外旅行風”フライト
日本航空(JAL)と成田国際空港(NAA)は、成田空港発着の周遊フライトで海外旅行気分を味わってもらおうと、オーストラリア政府観光局の協力で「チャーターDE海外旅行気分を満喫!〜オーストラリア〜」を6月12日に実施した。
国際線機材を使った約3時間30分の周遊フライトと、空港内でのイベントを組み合わせたイベントで、抽選で選ばれた168人が参加した。JALによると応募倍率は約6倍だったという。機内やターミナル内では、オーストラリア政府観光局が「できるだけオーストラリア気分をつくりたい」と、当地にちなんだ催しを用意した。
第2ターミナルの国内線カウンターでチェックインした参加者は、保安検査場前に設けられたブースでオーストラリア政府観光局スタッフの“入国審査”を受けて出発エリアへ。ブースにはオーストラリア政府観光局のデレック・ベインズ日本局長も立ち、参加者に「いってらっしゃい」などと声をかけた。
出発エリアでは、オーストラリア大陸の先住民族であるアボリジニの伝統楽器「ディジュリドゥ」の演奏が披露された。1,000年以上前から演奏されていたとも言われるその音色に、参加者は静かに耳を傾けていた。
搭乗ゲートの横に登場したのは、ワイルドフラワーと呼ばれる西オーストラリア州原産の植物を使ったフラワービュッフェ体験コーナー。ユーカリやカンガルーポーなど、リラックス効果があると言われる香りを放つ6種類のワイルドフラワーが用意され、参加者はそれぞれ気に入った植物を集めて作った花束を持ち帰ることができた。
周遊フライトに使われたのは国際線用のボーイング767-300ER(機体記号︰JA618J)。便名はオーストラリア連邦が誕生した1901年にちなみ、JL1901便とされた(運航上の便名はJL4981便)。コアラのキャラクター「ビリー君」やスタッフらに見送られた参加者を乗せたJL1901便は、午前11時58分に成田空港を出発。奥羽山脈の上空を通って北海道方面へ北上し、旭川空港上空で旋回して折り返した。その後、太平洋側から成田空港に戻るルートで飛行し、東日本・北日本の上空を周遊した。機内では、オーストラリアの国民食とも言われるミートパイをメインとした食事が提供されたほか、メルボルンの紅茶ブランド「T2」の茶葉などオーストラリア土産が当たる抽選会が行われた。
コロナ禍前の2019年は、オーストラリアへの日本人渡航者数は年間で498,600人に上った。6年連続でプラスに推移する人気の目的地だったが、6月12日現在では外国人の入国が原則禁止されており、日本とのトラベルバブル実施も未定。ベインズ日本局長は、「国境がいつ開くかわからないが、できるだけ準備をしてその日を楽しみにしている」と日本との往来再開に期待を寄せた。
JALとNAAによるこの趣旨のイベントは4回目。1回目はシンガポール、2回目は台湾、3回目はタイを取り上げ、いずれも高倍率の人気イベントとなっている。余剰機材の有効活用という側面もあり、JALでは今後プリンスホテルと共同で、羽田空港発着の周遊フライトとグランドプリンスホテル新高輪でのディナーと宿泊を組み合わせた「ハワイ旅行気分ツアー」を6月26日に実施する予定だ(応募は締切済み)。JALの担当者は「他の空港発着のイベントも検討していきたい」と話している。(機内写真:JAL提供)
▲入国審査風ブースに立つオーストラリア政府観光局 デレック・ベインズ日本局長(左)
▲アボリジニ文化の普及活動も行うディジュリドゥ奏者の哲J氏(右)らによる演奏
▲コアラのキャラクター「ビリー君」と記念撮影する参加者の親子連れ
▲ワイルドフラワーのフラワービュッフェを楽しむ参加者の女の子
▲搭乗ゲートの外で突如披露されたJALグランドサービス(JGS)のスタッフによるフラッシュモブパフォーマンス
▲タスマニアビーフなどが盛り込まれたエコノミークラスの機内食