春秋航空日本、JALグループ化後初の運航便 王会長「日中の懸け橋になる」

春秋航空日本は7月2日、日本航空(JAL)の連結子会社化後初めての旅客を運航した。初便は東京/成田発、札幌/千歳行きのIJ833便で、成田空港では梅雨前線による本降りの雨の中、春秋航空日本の王煒会長らが出発を機側で見送った。

春秋航空日本は、JALが6月29日付けで持株比率を66.7%(議決権ベース)に引き上げたことにより同社の連結子会社化。同日から7月1日までは運航便がなかったため、2日の東京/成田発、札幌/千歳行きのIJ833便がグループ化後の初便となった。

同便は72人が利用。成田空港では出発に合わせて王会長がゲートアナウンスに立ち、「中国・春秋航空とJAL双方の強みを最大限に活かし、成田発のLCCとしてこれまで以上に安全な空の旅を提供する」と利用客にあいさつした。

▲春秋航空日本 王煒会長(左)

メディアの取材に応じた王会長はJALグループ化について「これまでは上海の春秋航空が支えてくれていたが、1本の柱が2本になった」と表現し、「より高いブランド力を確立できる」と期待感を示した。

JALは春秋航空日本を「中国特化型LCC」と位置づけ、中国市場への強い販売力を持つ春秋グループとの共同経営を通じて、中国大陸のホワイトスポット(日本から直行便がない都市)を開拓するとしている。王会長は「都市の経済面や人口を加味したうえで路線展開していく」とまずは人口4,000万人規模の都市を視野に入れていく考えを示し、「日中の懸け橋になりたい」と意気込みを語った。また、「日本人にもよく知られている都市にも路線展開したい」とアウトバウンド需要も狙っていく考えだ。国内の新路線展開については「マーケットによる。全くないことはない」とした。

春秋航空日本は189席仕様のボーイング737-800型機を6機保有し、東京/成田と札幌/千歳、広島、佐賀を結ぶ国内3路線と、ハルビン、天津、寧波、上海/浦東、武漢、重慶、南京を結ぶ国際7路線を展開中。コロナ禍の現在は、国内線については週末を中心に運航している。国際線は各路線1〜2週間に1便程度の運航だが、日中両国の水際対策による予約上限数に対してほぼ満席となっているという。

▲175番搭乗口からIJ833便に乗り込む利用客

▲IJ833便の利用客に記念品を手渡すスタッフ

▲IJ833便の出発を手を振って見送る王会長(右)ら

▲IJ833便の出発を手を振って見送る王会長ら

■関連記事
JAL、春秋航空日本を連結子会社化 グループ3社で「成田LCCハブ」形成へ