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奈良県五條市に2,000m級滑走路建設 ボーイング767型機など離発着可能な防災拠点
奈良県は、南海トラフ地震などに備えた「奈良県大規模広域防災拠点整備基本計画」を策定し、五條市内に2,000メートル級の滑走路を整備する計画をまとめた。
奈良県は、2011年の紀伊半島大水害での経験や、今後発生が予想される南海トラフ地震などの大規模災害に備えるため、既存の広域防災拠点では不十分であるとして、大規模広域防災拠点の整備を検討していた。
有識者の意見なども踏まえ、奈良県内に限らず、紀伊半島エリアを広くカバーする「奈良県大規模広域防災拠点」を整備する。紀伊半島の中心に位置し、津波被害の心配がなく、京奈和自動車道や救急医療を担う医療施設の立地がある五條市に拠点を整備する。
大量かつ迅速な人員・物資の輸送を実現するため、最新の大型輸送機や多数のヘリコプターが離発着できる2,000メートル級滑走路や、1万人規模のベースキャンプなど高次機能を設けるとしている。2,000メートル級の滑走路では、ボーイング767型機など中型機や、C-2輸送機の離発着を想定している。
なお、近隣の南紀白浜空港も2,000メートルの滑走路を持つ。周辺の空港では、但馬空港が1,200メートル、伊丹空港A滑走路が1,828メートル・B滑走路が3,000メートル、神戸空港が2,500メートルなどとなっている。
この大規模広域防災拠点は段階的に整備し、約5ヘクタールの平場を整備するⅠ期、600メートル級滑走路を整備するⅡ期、2,000メートル級滑走路を整備するⅢ期を計画している。現時点での整備スケジュールでは、2,000メートル級滑走路のⅢ期工事の終了は、整備開始から20年目を想定している。
奈良県は、この防災拠点の整備を国の南海トラフ地震の防災計画に盛り込んだ上で、各種支援を求めていくとしている。