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感染拡大で緊急事態宣言追加 全国知事会「都道府県境またぐ旅行中止を」呼びかけでどうする?【コラム】
きょう8月2日から、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が、埼玉県・千葉県・神奈川県・大阪府にも拡大された。すでに宣言対象の東京都と沖縄県も、8月31日まで継続される。
新型コロナウイルス感染症をめぐっては、感染力が強いいわゆる「変異株」の影響で、感染者数が大幅に増加している。このような状況を踏まえ、全国知事会は、都道府県境をまたいだ旅行や帰省を控えるよう求めることを決めた。
2度目の我慢の夏 旅行や帰省は我慢できる?
新型コロナウイルスの感染拡大から2度目の夏を迎えた。今回の夏の状況は、2020年の夏とどのように違うのだろうか。
2020年は、7月に旅行費用の一部を助成する「Go To トラベルキャンペーン」が東京都を除いてスタート。感染者数が比較的多かった東京都民や東京都を目的地とした旅行を除いて助成対象とし、予約後に助成対象から外れた予約に対してはキャンセル料を免除した。その対応には賛否はあったが、国が旅行を補助する事業の対象を明確に定めたことは評価できたのではないか。
一方、今年(2021年)は、5月23日から沖縄県、7月12日から東京都を対象に緊急事態宣言を発出し、今回は埼玉県、千葉県、神奈川県と大阪府が追加された。沖縄県では観光のトップシーズンを迎え、東京都ではオリンピックが開催中だ。その中で緊急事態宣言が継続して実施されているのは、メリハリがなく、宣言による効果も疑問視せざるを得ない。
観光の助成事業は、都道府県内を周遊する旅行などに対して実施しているが、今回の感染拡大における対応は、各地方自治体に任されている。都道府県をまたぐ旅行に対する公的な助成はほとんど実施されていない。このため、広域移動に対するキャンセル料補償などは設定はなく、もし旅行を取りやめる場合、航空会社や鉄道会社などのキャンセル料免除などに頼ることになる。
国や全国知事会はこの夏休み期間の「不要不急の都道府県間の移動」を控えるよう呼びかける方針だが、2020年のように、「Go To」の対象外を定めたり、キャンセル料を補償したりすることはしないため、メッセージがすでに旅行や帰省を計画している人に対してしっかり伝わり、移動を取りやめさせる効果を期待することは難しくなっている。
2020年に「今年の夏だけは」と対策を訴え、帰省の流動が減った。今回は希望する高齢者のワクチン接種はほとんど済んでおり、状況が変わった1年越しの「お盆」を「不要不急」というには無理があると感じる。終わりのない”我慢大会”には限界があるだろう。
ダメージが蓄積される観光業
我慢が続いているのは、旅行や帰省をしたい市民だけではない。例年であれば繁忙期を迎える航空や鉄道などの交通、ホテル・旅館なども、利用がコロナ禍前に戻るのが難しいまま、2度目の夏を迎えることになってしまった。
旅行者は、「自粛」を無視して旅行に行くことができるかもしれないが、交通や宿泊の事業者は、この状況下で大手を振ってアピールし、旅行者を受け入れることはまだまだ難しい。厳しい経営状況を支える補償も、今回の宣言で新しく設定されるものはほぼないため、「Go To」の利用が見込めた2020年よりも、観光関連の事業者が置かれている状況は厳しいのではないか。
“やむを得ない”都道府県間移動はしっかりと感染対策を
現実問題、都道府県間の移動を全くしないのは難しい。感染拡大が続く状況で、「不要不急」ではない、やむを得ない都道府県間の移動をする際は、感染拡大防止、というよりも自らが感染しないように行動を心がけたい。
手洗い、うがい、アルコール消毒はもちろん、誰が感染者かわからないような状況ならば、他人の飛沫を浴びないようにソーシャルディスタンスを確保したい。会話をする際は、極力マスクを着け、お互いに感染するリスクを下げる行動が重要だろう。
なるべくホテルなどで1人や同居する家族とだけで過ごすように心がけたり、空いている鉄道やバスなどで移動するなど、もう誰が感染していてもおかしくないという危機感のもと、他人と接触する機会を抑えて行動したい。マスクを着けて炎天下のなか、このような危機感を維持して移動できないなら、あえて気候が良くなる秋以降にスケジュールを調整するのもアリだろう。
「大丈夫、大丈夫」などと唱えて盲目的になる前に、できる行動はまだまだあるはずだ。