東京オリンピック期間中の航空需要、当初予想より低く Cirium調査

航空調査会社のCirium(シリウム)は、東京オリンピック期間中の航空需要の変化についてまとめたレポートを発表した。

レポートでは、東京オリンピックは基本的に無観客で開催されたことから、航空需要も当初の予想ほど高くなかったものの、何万人もの選手や役員、スタッフ、ジャーナリストが入国した。このような状況下での変化についてまとめている。

選手やスタッフは到着後、ホテルや選手村で隔離期間を過ごし、競技終了後48時間以内に日本を離れることになっていた。到着後の隔離期間があったことから、7月上旬から到着便の利用座席数は増加傾向にあったという。開会式と閉会式の間では2回のピークがあり、ゴールデンウィークにみられたものと酷似していた。

日本の航空会社全体の座席数に占める国際線の割合は、大会前、大会期間中ともに平均13%だった。利用者数は、羽田空港と成田空港が最も多く、次いでサッカーやマラソンが開かれた影響か、新千歳空港が3位となった。

2024年に開催されるパリオリンピックでは、需要の高まりによって、空港や飛行機のキャパシティが不足する可能性があり、飛行機と列車・バスの接続や二次空港への接続などの解決策が必要になるとしている。Ascend by Ciriumの航空アナリスト、ハーマン・チェ氏は、「航空会社は適切な交通網を準備・計画することができれば、このような世界的なスポーツイベントがもたらす需要の高まりから再び恩恵を受けることができる」とまとめている。