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ATR、日本市場は「引き続き重要」 最大40機の更新需要取り込み目指す
ATRは、日本市場での事業が堅調に推移していることから、引き続き重要な市場として位置づけ、事業を推進する。
日本では、機齢10年以上のボンバルディアDHC-8型機やSAAB340B型機、ドルニエ228型機といったターボプロップ機、最大40機の更新需要があるとみている。北海道エアシステム(HAC)が年内に3機目を導入するほか、2022年に就航を予定しているトキエアも採用する見通し。
また、日本では新規需要として60機の導入が可能であるとしている。そのうち、短距離離着陸型のATR42-600Sによる新規開設路線を含めた成長機会により40機、貨物専用機のATR72-600Fを20機の導入も見込んでいる。
同サイズのリージョナルジェット機に比べ、消費燃料や二酸化炭素排出量が40%少なく、1機あたり年間4,000トンの二酸化炭素排出量が削減できることから、日本政府による、2030年までに二酸化炭素排出量を46%削減するとの目標にも貢献できるとした。また、安全かつ最短距離のルートを提示する性能準拠型航法(PBN)や持続可能な航空燃料(SAF)を通じた消費燃料削減にも取り組んでおり、現在は50%のSAFによる飛行が承認されているものの、100%にまで引き上げを目指す。これにより、二酸化炭素排出量を最大80%削減できるとしている。
ATRでは、ATR42-600Sを2023年に初飛行、2025年初頭の納入を目指している。すでにATR72-600Fの運航を開始し、地方都市間や地域内部の物流網の構築にも貢献できるとしている。
ステファノ・ボルトリ最高経営責任者(CEO)は、「リージョナル航空機市場で最もサステナブルなATRの航空機は、環境に責任ある方法で、日本の人々と経済を結びつけるのに貢献しています」とコメントしている。
ATR機をすでに運航している、天草エアライン、日本エアコミューター、HAC以外からの受注見込みについて、ATRは書面で、「コメントを控える」と回答した。また、三菱スペースジェットの開発凍結によるビジネスへの影響についても、「ATR機は、日本の国内、地方への旅行のニーズに応えていける」と自信と示した。