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JALとカンタス航空の共同事業、豪当局が認めず
オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は、日本航空(JAL)とカンタス航空の共同事業の申請を却下した。
ACCCは、国境再開時には短期的に観光客の増加などの利益が得られる可能性があるとしたものの、長期的には、オーストラリアと日本の間を往来する乗客に不利益をもたらす可能性が高いと判断した。公共の利益が損失を上回る場合にのみ、承認を与えるとしている。
ACCCのロッド・シムズ委員長は、「航空会社はパンデミックの影響を大きく受けており、非常に困難な時期です。しかし、航空会社間の競争を維持することは重要です。航空会社間の競争を維持することは、航空・観光分野の長期的な回復の鍵となります」とコメントした。
新型コロナウイルスの感染拡大前、オーストラリアと日本間を往来する乗客の85%が、JALかカンタス航空を利用していた。両社の共同事業を認めると、他の航空会社による運航が困難になるとして、両国を結ぶ路線への参入を見込んでいた、ヴァージン・オーストラリアも懸念を示していた。
5月にACCCが発表した却下の見通しを受けて、カンタス航空は、一定の需要基準を満たした場合、ケアンズと東京を結ぶ新路線の運航開始を提案していた。ACCCでは、共同事業を行わなくても新路線の開設が可能であるとして、「競争の激しい環境の中で、商業的な要因によって決定されるのが最善」とコメントした。
JALは、「当社としては、コロナ禍からのネットワーク回復をスムーズに実施することで公共の利益にも叶うと考え、仮裁定が覆えるようカンタス航空と協力して取り組んできたので、非常に残念です。今回の結果を真摯に受け止めております」とコメントしている。
JALは現在、アメリカン航空と太平洋路線、ブリティッシュ・エアウェイズやフィンエアー、イベリア航空と欧州路線、マレーシア航空とマレーシア路線で共同事業を展開している。ハワイアン航空との共同事業は却下され、中国東方航空との共同事業は認可が得られていない。