座席で通話OK JR東日本、「新幹線オフィス」スタート

JR東日本は11月22日、車内でウェブ会議や通話が可能な「新幹線オフィス車両」の本格運用を開始した。

平日の東北・北海道・上越・北陸新幹線(つるぎ号を除く)全列車の8号車を「新幹線オフィス車両」とし、客室内でのウェブ会議や通話を可能とする。対象列車の乗客は誰でも利用でき、事前予約や追加料金は不要。座席指定はできないため、自由席のように空いている席を利用することになるが、リモートワーク環境向上のため窓側のA・E席と通路側C席の利用を推奨しているという。なお、ゴールデンウィークやお盆、年末年始期間の最繁忙期は実施しない。

また、12月1日からは「はやぶさ7・14・21・25・28・110号」の一部区間で専任アテンダントが添乗し、パソコン用間仕切りやスマートグラスなどのリモートワーク支援ツールを無料で貸し出すほか、Wi-Fiルーターの有料レンタルサービスも用意する。対象路線や列車は今後拡大予定。

2月および6〜7月に東北新幹線で行った実証実験で、ニーズが確認できたことから本格運用を決めた。JR東日本事業創造本部の中村元氏は、「今後、新幹線のビジネス需要は(コロナ禍前の)100%まで戻らないだろう」と見通している。その一方で増加傾向にあるワーケーションや分散型ワークの利用者に向け、新幹線オフィス車両で移動時間を有効活用してもらいたい考えだ。既に首都圏の駅などで運用しているシェアオフィス「STATION WORK」などと合わせ、シームレスなリモートワーク環境の提供を目指す。

なお、同様のサービスとしてはJR東海が10月から、東海道新幹線で「S Work車両」を展開している

▲12月1日から一部列車で貸し出すリモートワーク支援ツール

▲対象車両の座席ポケットに案内リーフレットを設置

▲対象車両は乗降用ドアにも案内を掲出