ANA、代替肉使った「ヘルシーカツ丼」提供 残渣由来の肥料で育てたソフトケールもサラダに

全日本空輸(ANA)は、代替肉を使用した「カツ丼」や、調理残渣からリサイクルされた肥料を使って育てたソフトケールを使用した機内食を3月1日から提供する。

ビジネスクラスでは、おからとこんにゃく由来のDeatsを使用した「”ヘルシー”かつ丼 〜肉不使用、日本伝統のおからこんにゃくで美味しく健康に〜」を提供する。Deatsは、ディーツフードプランニングが開発した食材で、大豆が原料の代替肉と比較して、繊細な味を表現できるという。複数比較した上で、Deatsが最も違和感がないことから採用に至った。機内食で採用したのはANAが初めて。

ご飯は白米とこんにゃく米を半々で混ぜ込み、カロリーを抑えながらもご飯の甘みを感じられるようにした。卵の量や玉ねぎの大きさ、甘辛のタレにもこだわり、半年かけて開発した。通常のカツ丼は1杯1,000キロカロリー程度あるものの、4割程度削減。脂質も5割減らした一方、食物繊維は5倍に増えている。提供路線は日本発北米・ヨーロッパ・インド・オセアニア行きで、ホノルル・ウラジオストク行きは対象外。通年での提供を予定している。

森誠剛和食料理長は、「肉々しい食感にこだわって、試行錯誤を繰り返した。最初は柔らかい食感の肉だったが、歯ごたえや弾力にこだわった。厚さや大きさ、パン粉の付け方も修正して、追い求めたかつに仕上げることができた」と、完成品に自信を示した。

また、エコノミークラスで提供しているミックスサラダには、ANAケータリングサービス成田工場での調理時に出た残渣を使ってみどり産業が製造した肥料を使い生産されたソフトケールを取り入れる。ソフトケールは通常のケールに比べて柔らかく、苦味が少ないという。