ANA、訓練機になった737-500「スーパードルフィン」初公開 羽田で親子向け航空教室

全日本空輸(ANA)は5月14日、羽田空港で整備訓練に使われているボーイング737-500型機の退役機(機体記号:JA301K)を使った親子向けの航空教室を開いた。

飛行機を利用する機会が減っている中、航空業界に親しみを持ってもらいたいとANAウイングスが企画したもの。当初は3月に実施予定だったが、コロナ感染拡大の影響で日程を延期していた。内容は羽田空港のオフィス内での航空教室と、格納庫での機体見学の2部に分かれ、初回は18名が参加。運航乗務員や客室乗務員、整備士、グランドスタッフが参加者を迎え、現場で実際に使っている道具などを用いて各職種について紹介した。

▲2018年に退役し、整備訓練専用機材となったJA301K。機体には“ANA TECHNICAL TRAINING”の文字が入っている

見学に使われたボーイング737-500型機は、1995年から2020年までANAウイングスが運航していた機体で、小回りがきくイルカのような機体であることから「スーパードルフィン」の愛称が付けられていた。「JA301K」は2018年2月に退役した機体で、同年7月からは整備士養成のための訓練専用機材として再活躍。飛ぶことはできないが、エンジンカウルのイルカのイラストなど、外観・内装ともに現役時の状態が概ね保たれている。ANAによると、退役後の同型機の機内を一般に公開するのは今回が初めてだという。参加者は同型機の運航に携わっていた社員から説明を受けながら、客室内やコックピット、ギャレー、貨物室などを約70分見学した。

担当者によると、参加者が体験できる内容を盛り込んだことが今回の航空教室のこだわりの一つだという。救命胴衣の使用体験や、機内でのアナウンス体験などを組み込み、子どもにも飛行機を身近に感じてもらえるよう工夫した。航空教室で講師を務めた運航乗務員は、参加者に向けて「インターネットや動画では経験できないことを実際に体験して学んでほしい」と話していた。

イベントはあす15日まで計4回開かれ、今後も実施を検討しているという。また、5月21日・22日にはJA301Kの撮影会を開催する予定。いずれも申込みは締め切っている。

▲航空教室で救命胴衣の使い方を説明する客室乗務員

▲グランドスタッフと一緒にカウンター業務の体験をする参加者

▲着陸時の操作を解説する運航乗務員

▲実物の対地接近警報装置を見せて解説する整備士

▲整備士からエンジンの説明を受ける参加者

▲整備士からエンジンの説明を受ける男の子

▲貨物室に入って記念撮影する参加者

▲ボーイング737-500型機特有のアナログ計器について参加者に説明する運航乗務員

▲ボーイング737-500型機の特徴であるイルカのイラストと記念撮影する参加者

▲参加者に配られた記念品

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