JR九州、普通・快速列車乗り放題の「こどもぼうけんきっぷ」を販売 1日100円
JR東日本の新幹線・特急が3日間乗り放題で約2万円! 「JR東日本パス」のお得な使い方はこれだ【コラム】
JR東日本は、新幹線や特急列車が3日間乗り放題となる「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」の発売を発表した。
「JR東日本パス」とは?
鉄道開業150周年を記念して販売する、新幹線や特急列車が3日間乗り放題となるきっぷ。
首都圏や東北地方、長野県、新潟県などのJR東日本全線に加え、青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線、三陸鉄道線、北越急行線、伊豆急行線、富士急行線、えちごトキめき鉄道線(直江津~新井駅間)の新幹線、特急を含む普通車自由席と、JR東日本のBRTが3日間乗り降り自由。新幹線や特急の普通車指定席も4回まで利用できる。
大人22,150円、小人10,150円。利用期間は10月14日から27日までで、利用開始日の1か月前から「えきねっと」限定で発売する。
必見!「JR東日本パス」を最もお得に使うための鉄則
「JR東日本パス」にかぎらず、広い範囲をフリーエリアに持ち、かつ新幹線や特急が乗り放題になるきっぷを最大限に活用するためには、いくつか頭に置いておきたい「鉄則」がある。
まず1つは「単純往復は避ける」だ。東京〜仙台駅間は片道10,890円、東京〜盛岡駅間は同14,810円、東京〜新青森駅間は同17,470円(いずれも新幹線eチケットの価格)なので、仙台往復でほぼ”モト”が取れる。遠距離の目的地であれば、通常価格に比べて「JR東日本パス」がお得だ。
しかし、あくまでもこれは「通常価格」との比較のお話。JR東日本が公式に「えきねっと」で販売している「えきねっとトクだ値」やびゅうトラベルサービス「JR東日本ダイナミックレールパック」では、通常価格より安く、きっぷやきっぷ+宿泊の旅行商品を発売している。
一例では、東京〜仙台駅間は最安で片道7,070円、「JR東日本ダイナミックレールパック」では、東京〜仙台駅間の往復とホテルの1泊セットで1万4,000円台で販売されているので覚えておこう。そして10月まで我慢できない人は今すぐ予約しよう。
もう少し踏み込んで言えば、この「JR東日本パス」を使うならさまざまな都市をめぐる、いわゆる「周遊型旅行」がおトクだということだ。
もう1つの「鉄則」は、「指定席・自由席はうまく使い分ける」だ。2011年に発売された「JR東日本パス」も利用した経験から述べれば、東北新幹線「はやぶさ」、秋田新幹線「こまち」は、全車指定席なので指定席券の確保はマストだ。特に東北新幹線を全区間利用しようとすると、週末を中心に指定席の確保が難しくなるはずなので、できるだけ早く予約に動きたい。一方で短距離の新幹線・特急の利用時は、混雑状況を考慮しながらも、なるべく自由席を使いたいところだ。
JR東日本では、全車指定席の列車が増えている。新幹線では、2022年3月のダイヤ改正で全車指定席になった「つばさ」のほか、「はやぶさ」「こまち」「はやて」「かがやき」。在来線では、「あずさ」「かいじ」「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ」「ひたち」「ときわ」「湘南」「踊り子」「スワローあかぎ」「成田エクスプレス」「日光」「きぬがわ」などが挙げられる。これらの列車は、指定席券を確保しない場合乗車が難しくなるはずであるため、十分注意されたい。
一方、同じ全車指定席の列車でも、JR東日本の「海里」「SL銀河」「SLばんえつ物語」「おいこっと」「リゾートしらかみ」など「のってたのしい列車」は、ほとんどが快速列車として運行されていて、指定席券は840円または530円だ。貴重な「JR東日本パス」の指定席”枠”は、これらの列車では温存して、別途購入した指定席券で利用するという”裏技”を検討してもよいだろう。
ちなみに「JR東日本パス」では、北陸新幹線は、JR西日本となる上越妙高〜金沢駅間では利用できない。東海道新幹線もJR東海であるため当然利用できない。これらの点は”常識”であるので、忘れないようにしておきたい。
「JR東日本パス」を3日間使い倒す(乗り鉄)モデルコース:1日目〜トキめきの新潟の大きさを実感〜
JR東日本パスを3日間使いこなすモデルコースを1つ提案してみよう。
東京から北陸新幹線で北上。長野県を縦断して(途中下車しても良いが)、新潟県は上越妙高駅で下車。
上越妙高〜直江津駅間は北陸新幹線開業時に第3セクターに移行した旧信越本線の「えちごトキめき鉄道」に乗車してみよう。沿線には桜の名所として知られる高田城址公園や、ユニークな展示で知られる「上越市立水族博物館 うみがたり」などがある。
観光に時間を費やすことが難しいようであれば、直江津から少し歩いたところにある「無印良品 直江津」内にある「なおえつ良品食堂」で、「とん汁ラーメン」を食すことをおすすめする。ここではテレビなどでも紹介され、お取り寄せが困難な妙高市の名店「とん汁の店たちばな」のとん汁を気軽に味わえるのだ。
この日は可能であれば上越市から新潟市に抜けておきたい。上越妙高〜直江津〜新潟駅間は、走行距離はあるものの、都道府県境を跨がない稀有な特急「しらゆき」 に乗車しよう。2022年3月の改正で1日4往復に減便されているため、注意が必要だ。
2日目〜ダイナミックに日本海沿岸を北上〜
この日は新潟駅からスタート。特急いなほ号は、新潟〜酒田・秋田駅間で運行しているが、秋田発着で運行するのはそのうち2往復。新潟からスタートする場合、午前8時22分発の「いなほ1号」がよさそうだ。
羽越線では、多くの区間で日本海沿岸を走行する。日本海の荒波が作り上げた名勝として知られる「笹川流れ」など、目まぐるしく変わる車窓から目が離せなさそうだ。所要時間は約3時間40分で、車内販売がないため食料などは乗車前に調達しておこう(画像はGoogleより)。
秋田駅ではこの「いなほ1号」からほどよい接続で「つがる3号」に乗り継げる。特急「つがる」は、秋田〜青森駅間を奥羽線経由で結ぶが、この列車は何度か乗車しているものの、乗車率はお世辞にも良いとはいえなかった。使用するE751系交流特急形車両も、もとは「スーパーはつかり」として2000年にデビューした車両だ。現在運行されているJR東日本の特急車両のなかではかなり古い部類に入る。車両や乗車率の観点からいつ快速に格下げされてもおかしくないと、個人的には感じている。
秋田駅で少し待つと「リゾートしらかみ5号」に乗り継げる。羽越線に引き続き、五能線で日本海の大海原と、入り組んだ沿岸に沿って走るローカル線の趣を感じるのもいいかもしれない。この「リゾートしらかみ5号」は、走行途中で日没を迎える。夜間走行時は、広々としたジョイフルトレインならではのアコモデーションでリラックスしたいところ。このモデルコースでは、弘前市内での宿泊をチョイスしたものの、3日目の移動の仕方によって様々な選択がありそう。青森市内での宿泊や、五能線内での宿泊(例:黄金崎不老ふ死温泉)もよいかもしれない。
3日目〜最高時速320kmを体感、新幹線で帰京〜
弘前で宿泊したら、弘前城周辺を散策したり、アップルパイの食べ比べをしたりと様々な楽しみ方がある。弘前の街は比較的コンパクトなため、多くの観光名所を歩いて回ることができる。
また、時間があれば帰路で青森駅に立ち寄り、最近では少し賑わいを取り戻しつつある駅周辺でグルメや観光を楽しんで良いだろう。
3日間の乗り鉄の疲れを労わるように、帰京する最終日は、シンプルな新青森乗り継ぎでの新幹線をチョイス。とはいえ、時間は十分にあるため、盛岡や仙台など、体力が許せば途中下車してみてもよいだろう。
モデルコースでのお得額は?
乗車券
東京→上越妙高→(えちごトキめき鉄道)→直江津→新潟→秋田→(奥羽線)→青森:11,890円
青森→新青森→東京:10,340円
特急券(いずれも通常期、乗継割引を考慮しない)
東京→上越妙高(指定席):4,270円
上越妙高→新潟(自由席):2,140円
新潟→秋田(指定席):2,510円
秋田→青森(指定席):2,290円
新青森→東京(指定席):7,330円
通常価格計:40,770円
大人22,150円の「JR東日本パス」利用で、18,620円お得になった計算だ。
もちろん、このモデルコースはあくまで一例だ。実際の移動は、お得度と旅先への興味をバランスさせながら旅行するのがよいだろう。とはいえ、JR東日本がだれでもお得に乗り放題になる機会はなかなかないため、ぜひこのチャンスを活かして旅行したい。