沖縄旅行で“飛行機見学”いかが? 航空整備のMRO Japan、工場ツアー開催

ANAグループで地域創生事業を手掛けるANAあきんどは、航空機の整備や修理を行う那覇空港のMRO Japan(MJP)の工場見学ツアーを5月16日から始めた。航空整備事業の認知向上や沖縄県の地域経済発展を目指すもので、一般向けに実施する見学会は初めて。

MJPは飛行機の整備や修理、オーバーホールを手掛ける日本で唯一のMRO専門企業として、ANAホールディングス(ANAHD)など8社の出資により2015年6月に設立された。当初は伊丹空港で整備事業を行っていたが、2019年1月に那覇空港の格納庫が完成したことに合わせ、機能を沖縄に移している。

見学ツアーは約30分の会社沿革・事業内容説明と、約50分の格納庫での作業見学という内容。飛行機の大きさを間近で体感しながら、普段はなかなか見る機会がない整備作業風景を見られることがウリだ。那覇空港発着で、送迎と記念品が付き、大人、小人とも5,000円。平日のみの開催で、各日午前・午後の2回実施する(6月30日までは午後のみ開催)。定員は各回45名。現在は7月29日までの実施分の予約を受け付けており、開催8日前の午後5時まで申込みできる。

▲整備作業風景を上や下から見学できる

格納庫見学で見られる機材は当日の整備スケジュール次第だ。MJPが整備を請け負うのは、ボンバルディアDHC8-Q400型機やエアバスA320型機といった小型機から、ボーイング787型機、777型機などの中・大型機まで幅広い。ANAグループだけでなく、海外キャリアを含め、沖縄では珍しい機材を見られるチャンスもある。初日の5月16日は、ANAウイングスのボンバルディアDHC8-Q400型機(機体記号:JA465A)とソラシドエアのボーイング737-800型機(同:JA813X)、エア・ドゥのボーイング767-300ER型機(同:JA605A)の3機が、オーバーホールや部品交換を伴う「Cチェック」と呼ばれる重整備を受けていた。

ツアーガイドはANAグループの客室乗務員から出向中のスタッフが務める。客室乗務員としての知識や経験を活かしながら、各機種の特徴や整備作業の内容を参加者に解説する。

▲ガイドはANAグループの客室乗務員

MJPの高橋隆司社長によると、見学ツアーの構想は那覇空港の格納完成前からあったという。沖縄移転から約3年が経過し事業の安定化が進んだことから、ANAあきんどと連携して実施を決めた。ツアーを通じて、航空整備事業の認知向上や安全啓蒙、地域経済への貢献を目指す。

また、MJPは地元の高校生を中心に新卒採用を進めていることから、整備業務の見学を通して若いうちから会社に興味を持ってもらう狙いもあるという。地元・沖縄県出身でガイドを務めるスタッフの一人は、「地元で活躍できる航空関係の企業があることを見学ツアーを通じて県民に知ってもらい、MJPの認知度を上げたい」と意気込みを見せた。今後は土日の開催や、学校向けの団体見学も検討していくという。

▲最初は会議室で整備の種類や会社の紹介

▲見学するのは大型機格納庫と小型機格納庫の2か所。最大で4機を収容できる

▲ボーイング767-300ER型機の整備作業を見学する参加者

▲ボーイング767-300ER型機を整備するMJPの整備士

▲ボーイング767-300ER型機の整備作業を見学する参加者

▲ボーイング737-800型機から取り外されたエンジンカウル

▲ボーイング767-300ER型機を正面から見学する参加者

▲ボーイング767-300ER型機から取り外されたフラップの説明を受ける参加者

▲ガイドからボンバルディアDHC8-Q400型機の説明を受ける参加者

▲Cチェックを受けるANAウイングスのボンバルディアDHC8-Q400型機(機体記号:JA465A)

▲Cチェックを受けるソラシドエアのボーイング737-800型機(機体記号:JA813X)

▲Cチェックを受けるエア・ドゥのボーイング767-300ER型機(機体記号:JA605A)

▲参加者に配られる記念品