コロナ禍で経営拡大のデュシタニ・グアム・リゾート　GMが語る日本人再来への期待感

2022年6月7日

眼下に広がるのはどこまでも青い太平洋――。グアム随一の繁華街、タモン地区のビーチに沿って立つのが「デュシタニ・グアム・リゾート」だ。

タイ資本のデュシット・インターナショナルが2015年に開業した30階建てのこのホテルは、グアムの地にありながらも設えや接客などその端々にタイの伝統文化を感じられるラグジュアリーリゾート。客室は43平米のツインルームを中心に全421室で、最上級の3ベッドオーシャンフロントヴィラは880平米の広さを誇る。

▲現代風にアレンジしたタイ料理を提供する「ソイ」。タイ語で「路地」を意味する

館内には和牛やロブスターを提供する「アルフレードズステーキハウス」をはじめ、オールデイの「アクア」、タイ料理「ソイ」など4つのダイニングとラウンジ、デリカテッセンを備え、食にこだわる宿泊客の幅広い要望にも応える。

そして2020年、デュシット・インターナショナルはこのデュシタニ・グアム・リゾートの隣に「デュシット・ビーチ・リゾート・グアム」を開業した。実はここ、20年以上にわたって運営されていたアウトリガー・グアム・ビーチ・リゾートを買収してリノベーションしたもの。客室数は全604室で、2施設合わせて計1,000室以上の体制で米本土やアジア圏の観光客を迎える。

ジェネラルマネージャーとして両施設を束ねるデイヴィッド・ボールドウィン氏に、近年の状況や日本人の渡航再開への期待感を聞いた。（取材協力：デュシタニ・グアム・リゾート）

2つのホテルは補完し合う関係

▲デイヴィッド・ボールドウィンジェネラルマネージャー

――グアムで2施設を運営。それぞれの位置づけは。

アウトリガー時代のビーチリゾートはファミリー向けのホテルとして有名でした。デュシタニはカップル向けで、年配の旅行者も多かったようです。

現在のデュシタニとビーチ・リゾートはお互いに補完し合う位置づけだと思っています。一方はリゾートスタイル、もう一方はカジュアルスタイルにしていて、価格帯も少し違いますが、サービス水準は全く同じです。ホテルに何を求めるかはお客様それぞれですが、どちらに泊まったとしても施設全体が両方のお客様のためにあります。例えばビーチ・リゾートにはファミリー向けとして子ども用のプールを設けていますが、どちらの宿泊者も好きな方のプールを使うことができます。

▲アウトリガー・グアム・ビーチ・リゾートから転換したデュシット・ビーチ・リゾート・グアム

――パンデミック下での稼働状況は。

以前は軍関係のお客様が多かったのですが、4月頃から韓国人観光客が増え始めました。5月〜6月は軍事演習があるので忙しくなります。観光はそのあとの7月〜8月にかけて盛んになると考えています。

日本人の再来は第4四半期に期待

▲デュシタニ・グアム・リゾートの43平米の客室。ゾウの形のタオルアートがタイらしさを演出する

――日本人の動きは。

僅かです。しかし、問い合わせは増えています。旅行会社がツアー再開の動きを見せたのも非常に前向きな流れだと思います。日本人に関しては、6月〜7月に多くの人が計画を立てて予約を入れるようになるのではないかと思います。第3四半期で段階的に回復すると見ており、第4四半期に関しては2019年の水準まではいきませんが好調に推移すると考えています。

――円安傾向が日本人の再来に水を差すという懸念は。

第4四半期に入る頃には為替市場がより安定することを願っていますが、客室相場がパンデミック前より下がっているのはご存知のとおりです。

我々は政府観光局（GVB）と共同で付加価値の高いプログラムを開発しています。宿泊料金に関係なく、私たちはお客様に価値を感じていただきたいと考えています。『GOGO GUAMキャンペーン』など様々なプロモーションを打ち出し、旅行者により多くの価値やエンターテインメントを提供できる方法を模索しています。

▲タイのハーブとグアム原産の材料を組み合わせて施術する「デバラナスパ」