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ATR、日本市場で100機展開目指す 2025年初頭にもトキエアへ新型機納入
ATRのステファノ・ボルトリ最高経営責任者(CEO)は6月8日、東京都内で会見を開き、「近い将来、日本国内で100機のATR機が運航される」と日本市場でリージョナル機の導入拡大を目指す考えを示した。
ATRは2016年に日本市場へ参入。現在のところ、天草エアライン、日本エアコミューター(JAC)、北海道エアシステム(HAC)の3社がATR機を導入している。昨年9月にはワンワールド塗装のATR42-600型機をHACに、今年5月には鹿児島県の県木であるカイコウズ(アメリカデイゴ)の葉を描いた同型機をJACに引き渡し、運航中の機材は3社で計15機を数える。さらに今後、オリエンタルエアブリッジ(ORC)のほか、年内の就航を目指しているトキエアもATR機の導入を計画している。
2年ぶりに来日したボルトリCEOは会見で、「日本では国内旅行や物流に航空輸送が重要かつ不可欠」としたうえで、日本市場での課題について「環境への影響を最小限に抑えながら、いかに経済発展を促進して全国各地を繋ぐことができるか」と分析。同社のターボプロップ機は同等サイズのリージョナルジェット機と比較して燃費とCO2排出量を40%削減できるとして、「2030年までにCO2排出量を46%削減するという日本政府の目標にも貢献する」と主張した。さらに、プラット&ホイットニー・カナダ製の新型エンジン「PW127XT」の導入や、航空当局の認証取得に向けて取り組んでいる持続可能な航空燃料(SAF)の100%使用などにより、排出量のさらなる削減が可能になるとした。
また同社は、最短800メートルの単滑走路で離着陸が可能なSTOL性能を備えた新型機のATR42-600Sを開発中で、2024年第4四半期までの認証取得、2025年の納入開始を目指している。日本ではトキエアが導入を検討しており、2025年初頭にも初号機が引き渡される見通しだ。同社コマーシャル部門のファブリス・ヴォーティエ・シニア・バイスプレジデントは、日本国内には1,000メートル以下の滑走路を持つ空港が10か所あると指摘したうえで、「日本とATR機には高い親和性がある」とアピールした。