JAL、天ぷら油使った燃料でトーイングトラクター運転 成田で実証実験

日本航空(JAL)は、乗客の荷物などを運ぶトーイングトラクターに、廃食油から製造したバイオディーゼル燃料(BDF)を従来の軽油の代わりに使用する実証実験を始めた。

成田空港で運用している約230台のトーイングトラクターのうち1台にBDFを使用し、車体やエンジン出力への影響を検証する。使用するのは、豊田通商が供給する高純度のBDF「B100燃料」。使用済みの食用植物油を原料に、BDFの成分である脂肪酸メチルエステル(FAME)の純度を99.9%まで高めて製造した。原料となる植物が成長過程でCO2を吸収していることから、燃焼時のCO2排出量が実質ゼロになるとされている。

軽油と比較してやや燃費は劣るものの、車両側の改造などは必要なく、通常の燃料と同様に使用できる。排気ガスは軽油のような刺激臭はなく、天ぷらのような香ばしいにおいがするのが特徴だという。

JALはB100燃料の使用によるCO2排出削減効果について、トーイングトラクター1台あたり年間約6トンと試算している。実証実験は2023年3月31日まで。検証を経て将来的に他の地上支援車両や地方空港にもBDFを導入し、国が目標とするカーボンニュートラル実現に貢献したい考えだ。

▲「B100燃料」が入ったドラム缶と、BDFを使用するトーイングトラクター

▲BDFで走行するトーイングトラクター