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「今後20年で小型ジェット120機必要」 エンブラエルCOO、日本の人口減少踏まえ提言
三菱航空機が開発を進めていた三菱スペースジェットの先行きが見通せない中、リージョナルジェット機「E-Jet」を手掛けるエンブラエルが、日本市場でのシェア拡大に意欲を示している。E-Jetの次世代型となる「E2」シリーズのプロモーションツアーで来日した同社チーフ・コマーシャル・オフィサー(COO)のマーティン・ホームズ氏は、日本市場では人口減少やターボプロップ機の老朽化などを背景に、E2シリーズが今後存在感を増すと見通した。
E2シリーズは、最大座席数90席のE175-E2、114席のE190-E2、146席のE195-E2の3機種がある。プロモーションツアーでは、マーティン氏らエンブラエル幹部がE195-E2の試験飛行機「TechLion」(機体記号:PR-ZIQ)で来日した。
▲プロモーションツアーのため羽田空港に飛来したエンブラエルE195-E2「TechLion」
E195-E2は全長41.6メートル、全高10.8メートル、翼幅35.1メートルで、巡航速度はマッハ0.82、航続距離は4,815キロ。エンジンはプラット・アンド・ホイットニーのPW1900Gを搭載し、機体構造の最適化などにより「E1」シリーズ機に比べ、燃費が17.3%向上しているという。
都内で取材に応じたマーティン氏は、コロナ禍で航空業界が打撃を受ける中、機材の最適なサイジングで業績回復を加速することができると指摘。また、日本の人口問題についても触れ、2045年までに全国平均で16.3%の人口減少が見込まれるという国立社会保障・人口問題研究所のレポートを引き合いに、国内で運航されているボーイング737-800型機などのナローボディ機の一部を、150席未満の小型ジェット機に置き換えることが理想的だと強調した。
現在、日本国内でエンブラエル機を運航しているのは、ジェイエアとフジドリームエアラインズ(FDA)の2社。ジェイ・エアがE170型機を18機、E190型機を14機、FDAがE170型機を3機、E175型機を13機保有している。マーティン氏は「これらの機材をE2シリーズに置き換えるのは自然な流れ」と話し、ターボプロップ機の置き換え需要も見込まれるとした上で、「今後20年間で、日本ではE2シリーズクラスの機材が最大120機必要になる」との見解を示した。
なお、E190-E2は11月10日に中国民用航空局(CAAC)から型式証明を取得しており、E95-E2もまもなく取得できる見通し。