JALグループ、「JALunLunブラックフライデー2024」開催 ホノルル片道14,000マイルなど
ANA、ウェルビーイング推進へアプリで社員交流 井上社長「“井上さん”と呼んで」
コロナ禍を経て生産性低下や人材不足が社会的な課題となる中、従業員の幸せを追求するウェルビーイング経営を重視する企業が増えている。
2月に新経営ビジョン「ワクワクで満たされる世界を」を発表したANAグループのその一つ。社員を「価値創造の源泉」と位置づけ、ウェルビーイング推進に取り組んでいる。その一環として今般、組織向けのコミュニケーションアプリ「Happiness Planet Gym(ハピネスプラネットジム)」を導入した。
ハピネスプラネットジムは、日立製作所傘下で企業マネジメント支援事業に取り組むハピネスプラネットが開発・提供するサービス。アプリを開くと1日に1回、業務や趣味などに関するお題が表示され、指定されたメンバーがお題沿った前向きな“宣言”を書き込む。他のメンバーはその宣言に対して応援メッセージや「いいね」でリアクションすると、「コハピポイント」が貯まる。加算されるポイント数は宣言やメッセージの頻度や内容によって上下する仕組みだ。
ANAグループではこのサービスを活用し、グループ会社間の垣根を超えたコミュニケーションを促すイベント「しあわせカップ」を開催する。6月19日からスタートする初回には、グループ各社から公募で集まった20代の若手社員150名が参加。15名1チームとなり、約1か月半の期間中に貯めたポイント数をチーム対抗で競い合う。直接接する機会の少ないグループ社員同士で、アプリを通して活発にコミュニケーションを取ってもらうことにより、グループ企業間のつながりを構築し、一体感を高めるとともに、社員一人ひとりの幸福度向上につなげる狙いだ。
イベント開催に合わせてANAの井上慎一社長は、ハピネスプラネットの矢野和男CEOを招いてANA社員向けの対談イベントを開催。「経営者として社員の幸せにかける思い」などをテーマに意見交換した。
▲「幸せ」をテーマに対談するハピネスプラネットの矢野和男CEO(左)とANAの井上慎一社長
矢野CEOによると、従業員の幸福度と生産性には相関関係がある。米国の先行研究では、幸せな従業員は生産性が1.3倍、創造性が3倍に向上するというデータが示されており、従業員の幸福は顧客にも波及するという。
対談後にメディアの取材に応じた井上社長は、「3年に渡るパンデミックで、他業界以上にウェルビーイング向上の必要性を感じた」と取り組みの背景を説明。「社員には自ら幸せを掴むために“チャレンジ”をしてほしい」と呼びかけた。
「しあわせカップ」は年4回程度開催する予定で、今後は年代や役職などを問わず参加者を募る。井上社長自身も意欲的に参加するといい、「ヒエラルキーは関係ない。『社長』ではなく『井上さん』と呼んでほしい。フラットなマインドセットで参加してもらいたい」と話した。