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JAL、777の解体部品でインテリア家具 都内で展示会
日本航空(JAL)とインテリアメーカーのカリモク家具は9月16日、退役したボーイング777型機の部品をアップサイクルしたインテリア家具の展示会を、東京・西麻布のショールーム「Karimoku Commons Tokyo」で始めた。
展示している家具は、脱出スライドを座面と背もたれに使った椅子、貨物室の壁材の風合いを活かしたケース収納、ギャレーの収納扉のラッチを使った洋服掛けなど13種類。いずれも、JA8945(ボーイング777-300型機)、JA8978(ボーイング777-200型機)、JA772J(同)の3機を解体した際に発生した部品を活用し、国内のデザイナーや建築家7名と、カリモク家具のインハウスデザイナーチームがデザインを担当。同社が製作を手掛けた。
▲点検ハッチを使ったサイドテーブル。木製の脚は777型機の胴体や尾翼を模した形状
JALグループでは廃棄物の削減に向けて、従来は処分していた整備廃材をアップサイクルする取り組みを2021年10月に開始。ライフベスト(救命胴衣)やシートカバーの廃材を使ったポーチやバッグなどオリジナル商品を製作・販売したり、ナットなどの小型廃材をカプセルトイとして販売したり、ホテルの一室に座席や窓枠パネルをそのまま設置したコンセプトルームを作ったりするなど、活用の幅を広げている。
2022年には、それまでは海外で行っていた退役機の解体作業を国内で行える体制を整え、部品をリサイクルしたり素材ごとに再資源化したりする取り組みも始めた。今回の家具に使用した部品を取り出した機体も、羽田空港で解体されたものだ。
▲整備士でJALマイレージ・ライスタイル事業本部ライフ・コマース事業部の加藤孝弥さん
これまでのアップサイクル商品は、キーホルダーやオブジェなど、どちらかといえば航空ファン向けのような商品が多かった。JALエンジニアリングの整備士で、現在はJALのマイレージ・ライスタイル事業本部ライフ・コマース事業部でアップサイクルに携わる加藤孝弥さんは今回の取り組みについて、日常に溶け込むインテリア家具を作ることで、航空業界に馴染みがない人にも自社の取り組みを知ってもらいたいと考えたと経緯を話す。やるからには高品質なものを作りたいと、老舗メーカーのカリモク家具に打診してタッグを組んだ。
これまでは活用方法が見出だせなかった廃材も、専門メーカーやデザイナーが携わったことで新たな命が吹き込まれた。燃料タンクの扉は、楕円形を活かしたサイドテーブルに生まれ変わった。加藤さんは、「(ビス穴の)凹凸がある表面をテーブルの面にするという発想は全くなかった」と目を見張る。今回展示している家具は今後、販売も検討している。両社は今後も廃材の活用方法の拡大に向けて、取り組みを加速させていくという。
展示会は10月7日までの各日正午から午後6時まで(日曜定休)。入場無料。
▲客室の外側窓を座面にしたスツール。しなやかな曲線形状が活かされている
▲貨物室の壁材を外側に使ったケース収納。経年変化で革のような独待な風合いが出ている