スカイマーク、就航25周年 洞社長「苦難に満ちていた」

スカイマークは9月19日、就航25周年を迎えた。羽田空港では、初就航路線の東京/羽田〜福岡線で記念式典が開かれた。

記念便となったSKY13便(ボーイング737-800型機、機体記号:JA737U)は173人が利用。同社の洞駿社長のほか、25年前の就航初日に客室乗務員として乗務していた、客室本部の浅井万美子本部長らが乗客に記念品を手渡して出発を見送った。

同社は日本の航空業界の規制緩和による新規参入航空会社の第一号として、1998年9月19日に東京/羽田〜福岡線に就航。当時の保有機材はボーイング767-300ER型機(機体記号:JA767A)1機で、同路線を1日3往復でスタートした。運賃は日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)の半額となる13,700円に設定した。

日本の航空市場は当時、JALとANA、日本エアシステム(JAS)の大手3社の独占状態にあった。洞社長は「スカイマークの誕生は航空市場に大いなる競争を巻き起こした」と振り返る。

しかし同社はその後、市場の変化や為替変動などの影響を受けて業績が悪化。2015年1月に民事再生手続きを申請し、事実上の経営破綻状態となる。その後2016年3月に手続きが終結し復活を果たすも、コロナ禍で路線縮小を余儀なくされるなど「苦難に満ちた25年だった」(洞社長)。

再建後の同社は、新生スカイマークの方針として、「安全の確保を最優先」、「お客様の時間を大切に」、「シンプルで温かく誠実なサービスと快適な空間を身近な価格で提供」の“3つの約束”を掲げている。洞社長は「地道に、愚直にこの3つを追求してきた」と話し、「大手やLCCと全く異なる独自路線を歩む我々の目指すべき姿、目標であり、存在意義。今後、将来にわたって決して破ってはならないもの」と強調した。

同社は2019年11月に初の国際線定期便として東京/成田〜サイパン線を開設したものの、新型コロナウイルスの影響で2020年3月から運休を続けている。国際線の再開について洞社長は、「2025〜2026年くらいまではない」と明言しつつ、「その先の活路を考えると考慮すべき重要事項」として、チャーター便などにより運航ノウハウ維持に努めたいとした。