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「ホヌねぶた」作った高校生、ANAとコラボで新作製作中 今年のモデルはあのジャンボ機
全日本空輸(ANA)の3機目のエアバスA380型機「FLYING HONU」(機体記号:JA383A)が10月20日、東京/成田〜ホノルル線でデビューした。3機のフライングホヌがついに出揃った記念すべきこの日、成田空港のゲート前にはこのオレンジ色の機体を象った「ねぶた」が展示されていた。
このねぶたは、東京・大田区の都立六郷工科高校の生徒たちが総合学習の一環で毎年行っている「六郷ねぶた祭」に合わせて昨年製作したもので、祭りで運行されたあと、ANAに寄贈された。その後しばらくは総合訓練施設「ANA Blue Base」で展示されていたため、見学ツアーで目にしたことがある人もいるだろう。現在は成田空港の同社オフィス「ANAスカイセンター」に保管されており、3号機のデビューを祝うためゲート前に登場したというわけだ。
ANAによると、同校では新たなコラボねぶたの製作が進められているという。噂を聞きつけて羽田空港にもほど近い同校を訪れると、生徒たちが飛行機型のねぶたの骨組みを囲んで和紙の貼り付け作業を行っていた。
製作を担当するのは、ねぶた祭実行委員長を務める白田亜沙子さんと、小川遼也さん、小原優太さん、前川力斗さん。全員が昨年のホヌねぶたの製作に携わった経験者だ。
指導担当の石川英臣先生と三部竜二先生に聞けば、今年のモデルはボーイング747-400Dの特別塗装機「マリンジャンボ」(機体記号:JA8963)。全体を大きな青いクジラに見立て、その上に魚やクラゲなど様々な海の生き物を描いた機体だ。ANAの累計搭乗者数5億人突破を記念して、1993年から1995年にかけて運航されていた。
▲今年のねぶたのモデルとなったマリンジャンボ(写真:ANA)
製作中のねぶたは全長約2.5メートル、幅約2メートル。全長約1.4メートルだったホヌねぶたに比べると、一回りも二回りも大きい。近付いてよく見ると、2階建て部分の盛り上がった造形や4発のエンジンなど、ジャンボ機の特徴が角材と針金で精巧に再現されている。ナビゲーションライトやアンチコリジョンライトが光るのも、ホヌねぶたにはなかった工夫の一つ。設計図のようなものはなく、模型や写真を見てゼロから組み上げたというから驚きだ。
ねぶたの候補には当初、ボーイング787型機など他の機種の特別塗装機もあがっていたが、「ねぶたは迫力が大事なので、ドーンと大きいジャンボ機がいい」という三部先生の希望で、747型機のマリンジャンボに決まったという。約30年前に運航されていた機体のため、生徒たちはもちろん実機を見たことはないが、色付けを担当する白田さんは「クジラが好きなので、写真を一目見ていいなと思った」とデザインが気に入ったと話す。
4月から放課後などの時間を使って製作を進め、9月末に骨組みが完成。この日はANAの客室乗務員も同校を訪れ、作業を手伝った。客室乗務員は白田さんらから作り方を教わりながら、骨組みにのりを塗って胴体上部や主翼部分に和紙を貼り付けた。11月18日の祭り本番に向け、作業はこれから大詰めの段階だ。
当日は京急・雑色駅近くの水門通り商店街を巡行し、地域住民にもお披露目される。ANAの特別塗装機の先駆けとして、日本中を飛び回ったマリンジャンボ。高校生の手によって再現されるその姿を見に行ってみてはいかがだろうか。