Klookも「白タク」の手配斡旋 広報担当者が虚偽回答【スクープ】

Klook Travel Technologyが運営する旅先体験予約サイト「Klook(クルック)」が、いわゆる「白タク」の手配の斡旋を行っていることがわかった。

「白タク」とは、営業許可を受けた緑ナンバーの車両ではなく、自家用車の白ナンバーで無許可で違法運送を行っているタクシーのこと。道路運送法違反で、違反者には3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される。また、利用者も事故などの際に補償を受けることができない可能性もある。「白タク」の配車を斡旋していることが判明した旅行予約プラットフォームは、ブッキング・ドットコムに次いで2社目。

提供元のサービスとして「Yichuxing」を選択したところ、「BB-Trip」という会社から案内のメールが届いた。

「BB-Trip」を検索してみると、日本語のウェブサイト(https://japan.bb-trip.com/)があり、サイトには、営業許可を受けた緑ナンバーの車両と思われる写真も掲載されている。

しかし、羽田空港に配車されたクルマは、自家用車の白ナンバーだった。

運転手に話を聞いたところ、周辺で待機しており、メールで依頼が届くとのこと。また配車されたクルマは予約時に案内されていた「エコノミー4人乗り(Toyota Altisまたは同クラスの車両)」ではなく「Toyota Voxy」で、運転手のクルマだと話していた。

広報担当者は12月12日、「お客様の安全と安心は、当社の最優先事項です。Klookの方針として、当社はすべてのサプライヤーに対し、事業を行いサービスを提供するための有効なライセンスを保持するよう求めています。当社には、すべてのパートナーについて、関連する規制を順守するためのライセンスを取得しているかどうかを確認する手順があります。現地の政策に従うグローバル企業として、当社は該当の法的要件に対するサプライヤーの法令遵守を定期的に確認しています。十分なライセンス文書ならびに法令遵守を証明することができないパートナーとは取引をしておりません」と、否定するコメントを明らかにしていた

Klook Travel Technologyは、香港に本社を置く、旅行アクティビティや現地ツアーの予約サービス。ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資も受けている。日本法人は2017年に設立され、日本政府観光局との共同プロモーションを実施した実績もある。

回答を最大限理解するとすれば、提携するパートナーが契約とは違う内容でのサービスを勝手にしているということになる。また、同社の確認する手順はまったくのザルであり、機能していないと言える。

さらに今回は、配車予約こそ質問が返答される前だったが、乗車は回答を受けてからのこと。前回の記事公開や質問を送った上でなお白タクが斡旋されるということは、提携サービスと連携をまったくしていないか、提携先をコントロールできていない状態だと思われる。

記事で取り上げている外資系OTA以外にも同様のサービスを提供しており、さらにBB-Tripのように日本語サイトを用意して営業している提供元もある。ライドシェア解禁に向けた動きが活発化しているが、監督省庁がこういった違法と思われるサービスを厳しく取り締まらないと、ライドシェア解禁後はさらなる混乱が危惧されるため、今後の動向に注目したい。