エクスペディアCEO、日本市場へ投資強化の考え示す カスタマーサポート改善へ

エクスペディアは日本でのサービス開始から18年を迎えるのに合わせ、ブランド刷新と新たなマーケティング施策を実施する。発表に際し、エクスペディア・グループのピーター・カーン副会長兼最高責任者(CEO)とブランド統括のジョン・ギーゼルマン氏が来日し、都内で会見を開いた。

エクスペディアによると、同社サービスでの「東京」の検索数は2年連続で対前年比で約55%増加。2023年の訪日客は、アジア圏以外では米国からの旅行者が最も多く、同国からの旅行者のうち約50%を同社グループが送客しているという。カーンCEOは、「日本は素晴らしいデスティネーション。オンライン旅行業者(OTA)として継続的に送客したい」としたうえで、「観光庁や日本政府観光局(JNTO)と協力し、東京・大阪・京都だけでなく、あまり知られていない都市への誘客を促進できるよう最善を尽くしたい」と方針を語った。

▲エクスペディア・グループ ブランド統括 ジョン・ギーゼルマン氏

エクスペディア・グループは近年、Chat GPTなどの生成AIや機械学習を活用した取り組みを強化。最適な旅行時期や近隣目的地、アクティビティ情報を都市ごとに提案し、旅行の計画をサポートする「ダイナミック旅行ガイド」、航空券やホテル、アクティビティなどの旅行計画を保存して家族や友人に共有できる「トリッププランナー」、航空券の価格変動を通知する「プライストラッカー」、価格やアメニティ、評価などの要素を一覧で比較し、ホテル選びをサポート「スマートショッピング」の4つの新機能を実装。ギーゼルマン氏は「AIを駆使して、よりパーソナライズされたリコメンドを出せるようにした」と自信を示す。

日本市場向けには、これまでの「Made To Travel」に代わる新たなブランドタグライン「いつものそとへ」を発表した。ブランド刷新に合わせ、エクスペディアのサービスを通して日常から抜け出し、新しい世界を楽んでほしいというメッセージを込めたテレビCM「Two Step」の放映を開始している。同社は今年に入ってNetflixとの広告パートナーシップ契約を締結しており、新CMはこのパートナーシップにおける日本市場向けの初めてのコンテンツになるという。

▲エクスペディア・グループ ピーター・カーン副会長兼最高責任者(CEO)

また、日本市場向けカスタマーサポートの強化も発表。第1四半期中に、電話での日本語音声サポートに24時間対応するほか、X(旧Twitter) でのチャットサポートサービスを開始する。カーンCEOは、「2023年は教訓を得るような出来事があった。ベストサービスを提供するOTAだと思ってもらえるよう、カスタマーサービスに関する信頼は時間をかけて構築しないといけない」とカスタマーサービスの重要性を強調し、「特に日本に対しては投資を強めている」と話した。