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東海道新幹線で“居酒屋新幹線” 新潟地酒14種、料理と共に飲み比べ
東海道新幹線で8月24日、「のぞみ」の車両を貸し切って車内で新潟県の地酒と料理を楽しむイベント「THE NIIGATAプレミアム清酒新幹線」が開かれた。
新潟県の地酒の魅力を首都圏や関西圏に発信しようと同県が企画したもので、「のぞみ」を号車単位で貸し切ることができる「貸切車両パッケージ」を活用。東京発新大阪行きの「のぞみ339号」の16号車を貸し切り、新潟県の9蔵14種類の酒とペアリングにこだわった料理が車内で提供された。7月に佐渡島の金山が世界文化遺産に登録されたことを記念して、佐渡市の銘柄が中心にセレクトされ、同市内の全5蔵の蔵元や蔵人も同乗した。
イベントには約20名が参加し、シャンパングラスに注がれた柏露酒造(長岡市)の「白露花火」での乾杯でスタート。まずは緑川酒造(魚沼市)の「緑川 純米大吟醸」、酒・ほしの(燕市)と大洋酒造(村上市)によるプライベートブランドの「大吟醸 鄙願 打水-夏の酒-」、朝日酒造(長岡市)の「久保田 萬寿 自社酵母仕込」が席に運ばれた。どれも各酒蔵こだわりの酒だが、特に鄙願は高級料亭や寿司屋向けの銘柄で、一般流通していないことから「幻の酒」とも呼ばれる。
料理は新潟の食材にこだわった飲食店を展開する「Tsubamesanjo Bit」が担当。最初の4銘柄に合わせて、まずは「牛肉とトリュフのタルタル 雪室にんじんのピューレ」、新潟県の郷土料理「のっぺ」、「越の鶏のレバーペースト」、「豊栄産ゴールドラッシュのムース」が提供された。新幹線に同乗した同社の原澤和直統括料理長が、「低温熟成で余韻が長い緑川にはしっかりめの味のタルタル、すっきりした味わいの鄙願には出汁と塩だけで素材の味を生かしたのっぺを合わせて」などと日本酒とのペアリングを解説した。
続いて提供されたのは尾畑酒造の「真野鶴 万穂 磨三割五分大吟醸」と「かなでる 純米大吟醸おりからみ」、加藤酒造店の「本醸造 金鶴」と「純米 風和」、天領盃酒造の「雅楽代 月華」と「雅楽代 六華」。いずれも佐渡市内の酒蔵で、蔵元や蔵人がそれぞれの酒の楽しみ方や酒造りなどについて紹介した。料理は「雪室熟成牛のロースト」、「佐渡産アワビの低温調理 肝とカリフラワーのソース」といったラインナップで、参加者も酒が進んでいる様子だった。
イベントの途中には五穀豊穣や家内安全を祈る佐渡島の伝統芸能「鬼太鼓(おんでこ)」が披露され、太鼓の音に合わせて鬼が勇ましく舞い踊った。
その後は逸見酒造の「純米吟醸 至」と「真稜 山廃純米大吟醸」、北雪酒造の「北雪 純米大吟醸 光」と続き、最後は「北雪 梅酒」で締められた。約2時間半の行程で提供された酒の量は、一人当たり約4合分だったという。
新潟県は地域産業の振興を担う部署内に、2021年度から「地場産業・日本酒振興室」を新設。地酒のブランド力強化や情報発信に力を入れている。今回のイベントは県の新たなアンテナショップ「THE NIIGATA」が8月8日に東京・銀座にオープンしたことに合わせて企画され、新大阪発東京行きの「のぞみ410号」でも同様の内容で行われた。県の担当者は「大阪のホワイティ梅田にも県のアンテナショップがある。首都圏や関西圏の方に新潟清酒の魅力を広げていきたい」と話した。