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経済的理由で夢諦めないで JAL、次世代担う若者に約89万キロ分の航空券提供
日本航空(JAL)は、夢を抱く若者たちを応援するプロジェクト「DREAM MILES PASS(ド
リームマイルパス)」を9月27日から始めた。JALがサポート契約を結んでいる米メジャーリーグ(MLB)の大谷翔平選手が高校球児時代からMLBのトップ選手として活躍するに至るまでに移動した距離を892,440キロメートルと推計し、この距離に相当する航空券を移動が必要な夢を抱く若者(ドリーマー)にプレゼントする。また、JALマイレージバンク(JMB)会員からもマイルの寄付を募る。
ドリーマーは満15歳以上かつ、義務教育を終えていることが条件。夢の内容と出発地、目的地などを特設サイトのフォームに入力し、表示された「ドリームパス」をX(旧ツイッター)またはインスタグラムでシェアすれば応募完了。当選者には国内線普通席または国際線エコノミークラスの往復航空券を贈呈する。第一弾の対象搭乗期間は2025年1月14日から6月30日まで。応募期間は10月31日まで。
JALによれば、遠征費用が家計を圧迫して部活動をやめざるを得なくなったり、渡航費や学費が捻出できず海外留学を断念したりするなど、移動の経済的負担が夢を叶える障害になっているケースがあるという。同社の調査では、中高生の4人に1人が「移動の負担を理由に夢を諦めた経験がある」と回答している。
羽田空港の格納庫で28日に開かれた発表会見でJALの鳥取三津子社長は、「移動格差や体験格差が若者の夢を阻む壁になっていると言われている」と説明。プロジェクトを通して「若者が移動先で関係やつながりを育み、夢を勝ち取ることを心から応援したい」と強調した。
会見には、JALに所属するアスリート社員で、パリ五輪のフェンシング男子エペ個人で金メダルを獲得した加納虹輝選手と、陸上女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花選手も登場。それぞれ自身の体験談を交えながら、移動と体験機会を増やすことの必要性を語った。
加納選手は、「対戦競技は強い選手と戦うことで成長できる。早いうちから全国や海外で練習や試合を重ねることが将来的に大事」とコメント。北口選手は、「SNSで何でも見られる時代だが、自分が突き詰めていることは本物を生で見ることが大事。プロジェクトをきっかけにその機会を増やしてほしい」と呼びかけた。
このほか、プロジェクトのシンボルとして、大谷選手を描いた特別塗装機「DREAM SHO JET」(エアバスA350-900型機、機体記号:JA08XJ)を9月29日から2026年3月頃まで国内線で運航している。