ニューヨークは日本市場をどう捉えているか ニューヨーク市観光会議局のマキコ・マツダ・ヒーリーSVPに聞く【インタビュー】

ニューヨーク市観光会議局とパートナー企業11社の代表団が来日し、10月28日から30日にかけて、東京と大阪でセールス・ミッションを実施した。

セールス・ミッションでは、グローバルパートナーのユナイテッド航空と共同で、セミナーや1対1の商談会等を開催し、旅行業界関係者に最新情報を共有した。

代表団を率いたニューヨーク本部のマキコ・マツダ・ヒーリー シニア・バイスプレジデントに日本市場の見解について話を聞いた。

ーー現状の日本市場についてご見解を教えてください。
「世界全体でみるとニューヨークへの旅行者は順調に回復しており、2025年にはコロナ前を超える見込み。アジアマーケットはまだ戻り切ってないので、前年比30%増で回復中のため期待値が高い。日本マーケットについては為替・物価高というハードルを感じるが、物価高については全世界共通の問題なので、ニューヨークに限ったことではない。また、誘客については全エリア何かしらの課題はあるので、日本マーケットを不安視していない。とはいえ、ニューヨークは物価高のベンチマークのように報道されるが、世界的大都市とうこともあって豊富な選択肢があるので、旅行者が予算に合わせて手段を選ぶことができることを知ってもらいたい。例えばミシュランの星付きレストランがフォーカスされることがよくあるが、街中にはキッチンカーがたくさんあって、低価格で食事することもできる。そういった豊富な手段を皆さんに知ってもらいたい」

ーーその豊富な手段を旅行検討者にどのように届けますか。
「SNSやメディア、ガイドブック、旅行会社のサイトなどでその専門性に合わせて情報発信をしていく。特にSNSは専門性に分けて細分化しやすいため、現地インフルエンサーによるトレンドコンテンツの紹介だけでなく、ローカルも楽しんでもらうためにローカルによるローカル紹介なども取り組んでいく。ニューヨーク市観光会議局のサイトも受け皿として活用していく」

「多様性を体現しているニューヨークだからこそ豊富なコンテンツと豊富な手段があるため、多くのニーズに応えられるデスティネーションなのだろう。今後はニューヨーク市制400周年、アメリカ建国250周年ということで歴史にもフォーカスしていくという。ロックフェラーセンターでは「Lunch atop a Skyscraper」を再現できるアトラクションやエンパイアステートビルではニューヨークの様子を1920年代から振り返えられる展示なども既にできている。」

ニューヨーク市観光会議局は、ニューヨーク市の5つの行政区全域の観光推進や経済発展、イメージ向上を目的としたツーリズム・マーケティング機関。日本とニューヨークの間は、航空会社4社が週49往復を運航している。

ニューヨークでは2025年から2026年にかけて、市制40周年、アメリカ軒区250周年、ゴルフ・ライダーカップ、USオープンゴルフ、FIFAワールドカップなどのイベントが開催されることから、日本を含む6か国で新しいグローバル観光キャンペーン「With Love + Liberty, New York City」をスタートしている。

2023年には、国内旅行者5,060万人と海外旅行者1,160万人の計6,220万人が訪問した。2024年には6,480万人を見込んでおり、このうち日本人は245,000人を想定している。