JAL、ビジネスクラスで焼酎「森伊蔵」を1日限定提供
「セントレアはお手本となる空港」 エアアジア・ジャパン、井手隆司会長講演【全文書き起こし】
2月15日に中部国際空港二本目滑走路建設促進期成同盟会が主催し、名古屋市内で行われた講演会で、エアアジア・ジャパンの井手隆司代表取締役会長が行った講演、「空港と地域の機能強化に向けて〜就航エアラインが地域に望むこと」の全文書き起こしをお送りする。井手会長は、就航時期や2016年から20年までの就航路線や機材計画をはじめとした経営計画などについて、詳細な説明を行った。
以下、全文をお送りする。
■
みなさんはじめまして、エアアジア・ジャパンの井手でございます。実は就任は2ヶ月前、12月、年末でございましたけれども、早く皆様にご挨拶をと願っておりましたが、2ヶ月ほど会社に篭りまして、会社の方向性、そしてこれからのビジネスの展開に関して、点検、それからビジネスプランの作成でようやく皆様の前で発表できるようになりました。
今日はですね、中部国際空港および地域に望むことでお題をご頂戴しておりますが、おそらく皆様の関心事はエアアジア・ジャパンは果たして飛ぶのやら、またどのようなビジネスを展開するのか。みなさん疑問にお持ちだと思います。もう既にメディアの方にいろいろ質問を受けておりますが、今日はエアアジア・ジャパンのこと、今後の事業展開について詳しくお話を差し上げまして、そして地域に望むことということで少し述べさせていただきたいと思っております。
その前にJTB中部の松本(博)社長のほうから先ほど、ぜひ地域でのアライアンスということでまずエアアジア・ジャパン、手を挙げたいと思います。JTBさんと手を結びたい、地域に根ざした航空会社を作りたい、そう思っておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
まずこの講演、決まりまして、社員に聞いてまいりました。地域に望むことはないか、それから中部国際空港に望むことはないか、いろいろ出ました。ほとんどが個人的なものです。700円の交通料が高いとか、空港内に無料の巡回バスがないとか、23時半になるとターミナルが閉まるので、出張で来ている人間が地域のホテルに泊まる時に、迂回して寒い道を歩かなければならないとかですね、こういった個人的な意見が多数出て参りました。ただしですね、これは事業者として、空港で働く人間の意見として聞いていただければと思っております。
ただ開港当初からみますとね、実は今回、この講演をするにあたりまして、国内線、国際線随分使用しまして、中部国際空港を検証しました。アラ探しをしました。どこか問題点はないか。結論から言います、大変立派な空港です。お客様の動線を考えて、十分機能的な空港の施設となっている。特にトラベラーとして、例えばチェックインして、それからセキュリティを通ります。国際線だとCIQを通って参りますね。そしてゲートまで行く過程の中で、ここでこういうものが欲しいものなというものが全て揃っている。驚くことに、例えば出発の時というのはどうしても荷物が多くなりますね。早く飛行機から降りたいので、できるだけ手荷物として持って行きたい。その導線の中でやはり勾配をうまく使って、荷物を比較的楽に運べるような設計、旅客に優しい空港作り。これはおそらく、確かに世界で表彰されるくらいの空港になっているな、日本の空港づくりも随分変わってきたというのが実感でございます。
残念ながらまだまだ地方の空港ではそういったところの整備が遅れていますので、非常にこの中部国際空港ターミナルビルの設計に関しては、大変参考になるところであると同時にお手本になる空港作りではないかと思います。まあ強いて言えば、今後いろんな航空会社、特にLCCがどんどん日本に乗り入れしようとしており、実際乗り入れをしています。当然のことながら発着回数も伸びている。2本目の滑走路も必要ですが、LCCのためのですね、やはりターミナルも必要になるんじゃないかと思います。
我々が1社頑張ってもなかなか底上げにはなりませんので、我々が起爆剤となっていろんな航空会社が中部国際空港に乗り入れしていただければ、発着回数も伸び、そしてなおかつLCCターミナルも非常に早期に決断していただける、そういう環境になるのではないかと思っております。なぜそのLCCのターミナルが必要か。例えば成田でもそうですね、関西空港でもそうですね、沖縄もそうです。順次LCCターミナルができております。この利点はですね、1つだけです。とにかくサービスに特化せずにそこから旅客が飛行機に乗れるだけの施設が充分あれば、当然のことながら施設の使用料は安くなる。そこに秘密があって、航空運賃が安くなるという仕組みです。これがあって初めてLCCは生きていけます。
ところで皆さんにとってLCCとはなんぞやと、ある地域ではLLCとも呼びます。元々LCCいう概念というのは極めて曖昧なところで線引きが引かれている。元々1978年にアメリカでオープンスカイポリシーが始まって以来、雨後の筍のように出てきた航空会社は大手に対して運賃競争で攻めていこうというところで低コストな航空会社を作ろうとします。これいろんな低コストの作り方があります。一般的に成功したLCCと呼ばれる航空会社を共通点で見ますと、まずは機種を1機種にして、効率よく24時間飛べるようにしましょうと。出来る限りサービスをしないとか、いろんな成功した航空会社に共通点はあれどもですね、実際にはLCCとしての線引きにするとこれは非常に曖昧となります。
単純に言えばこれに尽きると思う。フルサービスの航空会社とそれからサービスをしない航空会社、サービスというのはちゃんとソフトはあります。ただ機内でのサービス、これは短距離路線においてはあまり効果はないですが、中長距離線になってきますと、皆さんご存知の通り、海外旅行、例えばハワイに行きます。そうすると機内食楽しみですね。機内でのエンターテイメント、例えば映画とかいろんなものがありますが、楽しみとなる。ところがこれは全て航空運賃、料金に入っているんとなる。これを全部抜きます。そうするとこういうことが言えると思う。平等にお客様に、例えば食事がしたい方はお金を出して買う、例えば映画を見たい方はお金を出して見る、毛布が欲しい方はお金を出して毛布を借りる。それを望まない方もいる。いままでのフルサービスの航空会社は望む人、望まない人に関わらず、全て料金、運賃に転嫁されます。それを省くことで実は低コストを実現させています。
これで実はLCCで非常に利点なのは、例えば長距離になりますね、自分で弁当を持っていくのもいいです。だた機内食に心当たりがあると思いますが、チョイス少ないですね、魚か肉、肉もエコノミーになるとチキンくらいですね。食べたくもないものを折角払ったんだから食べましょうと、これが大体フルサービス航空会社の難点であります。LCCの場合はいろんなメニューがあります、それから好きなだけ食べれます、ただしお金を払わなければならないということとなる。決して高いものではないですが、機内での販売をすることによって、元々ある航空運賃を下げていくという発想、まあここに線引きをするとすれば、LCCと大手航空会社の差がでてくると思います。
さて今日は、皆さんにはぜひLCCの概念とそれからエアアジア・ジャパンがこれから目指すこと、これをしっかりと皆様にご理解をいただいて、今後地域にエアアジア・ジャパンがどのように貢献するかを皆さんとともに考えて参りたいと思っております。