商船三井クルーズ、新客船「MITSUI OCEAN FUJI」運航開始 全室スイート、3万2,000トン級

商船三井クルーズの新たなクルーズ船「MITSUI OCEAN FUJI(三井オーシャンフジ)」が12月1日、横浜港からデビュークルーズに出航した。

商船三井クルーズは2023年10月に新たなクルーズブランド「MITSUI OCEAN CRUISES」の立ち上げを発表。今般デビューした三井オーシャンフジはその第一弾で、米・シーボーン・クルーズ・ラインが運航していた客船「SEABOURN ODYSSEY(シーボーン・オデッセイ)」を2023年3月に購入し、改装したラグジュアリークラスの客船。総トン数32,477トン、全長198.15メートル、全幅25.6メートル。船籍地はバハマ。船客定員は458名で、229室の客室全てをスイートキャビンと位置付け、日本の上質なおもてなしと欧米のラグジュアリークオリティを融合させた体験を提供するとしている。

三井オーシャンフジ MITSUI OCEAN FUJI

デビュークルーズは横浜を出港後、別府、釜山、下関を経由して東京に戻る7日間の航路。横浜港の新港ふ頭客船ターミナル(横浜ハンマーヘッド)では1日、出航時間に合わせてイベントが開かれ、「よい航海を」を意味するフランス語の“BON VOYAGE”の形にキャンドルが並べられた会場で、横浜市立港中学校の吹奏楽部の生徒が歓迎の演奏を披露した。午後5時頃に客船がゆっくりと岸壁を離れると、港に集まった人たちが黄色のペンライトを振って出港を見送った。

三井オーシャンフジは当面、国内を中心として韓国にも寄港するショートクルーズに就航する。当初は2025年4月12日から100日間の世界一周クルーズも設定されていたが、紅海やスエズ運河周辺地域の情勢を考慮して催行中止となった。これに伴い、同年5月13日から66日間で10の国と地域を巡るロングクルーズが設定されている。