JR九州、地域の魅力発信を応援 「九州観光まちづくりAWARD」、都内で表彰式

JR九州は、地元に根づいてその土地ならではの魅力を発信している個人や団体を表彰する「九州観光まちづくりAWARD」を開催し、表彰式を東京都内で開いた。

同アワードは西九州新幹線の開業に合わせて2022年に開催した「西九州観光まちづくりAWARD」が前身で、2023年からは対象エリアを拡大。今年で2回目を迎える。

「にぎわいづくり」、「ものづくり」、「食」、「宿(おもてなし)」をテーマに、地域ならではの伝統や伝承を守りながら、新たなモノ、コト、風景を生み出している個人や団体を募集。63件の応募の中から、熊本・南小国のForeque(フォレック)が大賞に選ばれた。

同社は地元で産出される小国杉を活かし、家具や精油を扱うインテリア・ライフスタイルブランド「FIL」や、「喫茶 竹の熊」を展開。小国杉を高付加価値化し、地元の子どもたちへの教育や廃棄物ゼロの循環性など広範囲にわたって活動している点や、地元地域を体感できる唯一無二性のある場作りをしている点が評価された。

▲フォレックの穴井俊輔代表(右)と審査員で建築家の永山祐子氏

表彰式に出席したフォレックの穴井俊輔代表は、「小国杉の250年の歴史の中で、田畑を耕し、山を育ててきた多くの皆さんと一緒に評価いただけたのでは」と語り、「受賞をきっかけに、地元の子どもたちにも郷土に誇りを持つような話ができたら」と地域の未来を担う次の世代への伝承にも言及した。

同アワードではこのほか、食部門の金賞に大分・臼杵の陶芸家の宇佐美裕之さんと料理家の宇佐美友香さん、ものづくり部門の金賞に福岡・みやまの筒井時正玩具花火製造所、にぎわいづくり部門の金賞に団地再生プロジェクトで誕生した福岡・宗像のの「ひのさと48」、特別賞に長崎・五島の宿泊施設「めぐりめぐらす」、鹿児島・南九州で地域課題に取り組むRIVERBANKの坂口修一郎さんが選ばれた。

▲JR九州 古宮洋二社長

2025年2月21日には、受賞者や観光や地域創生に携わる観光業者、学生などを招いたシンポジウムを博多駅直結のJR九州ホールで開催する。JR九州の古宮洋二社長は、「九州で頑張る人たちが思いを共有することで、取り組みが拡大することを期待している。JR九州も地域に根付く会社として九州の方々に元気を与えたい」と話した。